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週刊!タレント解体新書 第4回

坂上忍は「毒舌キャラ」じゃない!? 『くりぃむしちゅーの超!怒られた発表会』(6月15日放送)を徹底検証!

130423_01_S06616.jpg撮影=梅木麗子

 西暦2014年もそろそろ上半期の終わりが見えてきたわけだが、今年のテレビの顔といえば誰か。おそらくその筆頭に名前が挙がるのが、坂上忍だろう。フジテレビの社運を賭けたと言っても過言ではないお昼の帯番組『バイキング』の月曜日MCを任され、4月からはレギュラー冠番組『坂上忍の成長マン!!』(テレビ朝日系)もスタート。バラエティ番組へのゲスト出演も数多く、文字通り、テレビで見ない日はないタレントの一人と言って間違いない。

 それではなぜ、坂上忍はこれほどまでにブレークしたのか。あるいは、視聴者から求められる存在になったのか。『バイキング』も『坂上忍の成長マン!』も、それぞれ坂上忍の個性を引き立たせている番組ではあるが、今回検証するのは、6月15日に放送された『シルシルミシルさんデー特別版 くりぃむしちゅーの超!怒られた発表会』(同)だ。この番組に、坂上忍のタレントとしての特殊性は如実に表れている。

 まずこの『超!怒られた発表会』とは、何かで怒られた人が怒られたエピソードを話すというのが主軸の番組なのだが、坂上忍は怒った側の人間としてキャスティングされている。サイドスーパーでは「坂上忍の悪行をガチ告発 被害者たちが大クレーム」とあるので、番組サイドでは坂上忍を怒りキャラとして認識している、さらに言えば、多くの視聴者が坂上忍を怒りキャラとして認識していることを理解しているのも分かる。つまり、坂上忍は、「怒る人」としてそこに配置されている。制作者も出演者も視聴者も、その共通認識の上でこの番組を体感するのだ。

では実際に『超!怒られた発表会』において、何が行われたのか。坂上忍から怒られた「被害者」として出演するのは、野々村真、富田マネジャー、井上裕介(NON STYLE)の3名。それぞれが坂上忍から怒られた体験を語るのというのが趣旨である。坂上忍が「怒る人」としてそこにいる以上、普段の坂上忍もこんな理不尽な理由で怒っている、という暴露トークに展開するというのが通常のセオリーだが、実際はそうはならない。彼ら「被害者」の言い分と、それに対する坂上忍の反論は以下の通りだ。

 野々村真は、芝居の舞台でセリフが飛んでしまった際、本番中にもかかわらず坂上忍から「台本読みながらやれ!」と怒られた話を披露する。だが坂上忍の証言によれば、それは困った野々村をアドリブで救うための方策であり、実際にお客も沸いたという。富田マネジャーも、実際に怒られている理由を一つずつ確認していくと、坂上忍にむしろ理がある。井上裕介に至っては、そもそもの存在自体がちょっとあれなので、坂上忍にかなう相手ではない。以上のように「被害者」である3名は、実に納得のいく「正論」によって、坂上忍から喝破されてしまう。あくまでも、坂上忍の言っていることのほうが、客観的に見て正しいというのがキモだ。

 坂上忍を評する際に「毒舌キャラ」という表現が多々使用される。確かに2013年ごろバラエティ番組へ進出しだした一時期はそういった時代もあったのだが、『超!怒られた発表会』を見る限り、坂上忍はもはや「毒舌キャラ」からは完全に脱している。強いて言うならば「正論キャラ」である。その風貌と無頼なイメージで視聴者をあざむきながら、坂上忍は常に正しいこと、すなわち「正論」を口にする。この点で坂上忍は数多くの「毒舌キャラ」と一線を画しているのだ。

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