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怒髪天・増子 × 10-FEET・TAKUMA × G-FREAK FACTORY・茂木、これからのフェス文化を語る

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左から、G-FREAK FACTORY・茂木洋晃、10-FEET・TAKUMA、怒髪天・増子直純

【リアルサウンドより】

 怒髪天・増子直純、10-FEET・TAKUMA、G-FREAK FACTORY・茂木洋晃。今回の記事では、百戦錬磨のバンドマンたちに「理想のフェス」というテーマについて語り合ってもらった。

 10-FEETは「京都大作戦」、G-FREAK FACTORYは「GUNMA ROCK FESTIVAL」とそれぞれ地元に根付いたフェスを主催し、怒髪天もイベント「大怒髪展」「響都ノ宴」や地元でのフリーライブ「カムバック・サーモン2014」を開催と、イベント・オーガナイザーでもある三者。彼らは6月20日に幕張メッセで行われるPIZZA OF DEATH主催のフェス「SATANIC CARNIVAL’15」で顔を合わせる。

 フェスとバンドの関係について、そこで生まれるカルチャーについて。AIR JAMの功績とSATANIC CARNIVALについて。様々なシーンを見てきた3名だからこそ語ることのできる、鋭い意見が飛び交う場になったのではないかと思う。(柴 那典)

増子「今はフェスが増えすぎてるよね」

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増子直純

――今回は「いいロックフェスとはどういうフェスなのか?」というテーマから語り合っていただければと思います。いろんなフェスに出演し、自らフェスも主催している皆さんだからこそ見えてくるものがあると思うんですが、そのあたりはどうでしょう?

茂木:TAKUMA本人は言わないと思うんですけど、京都大作戦はやっぱり独特な雰囲気がありますね。「誘ってくれてありがとう」とか「見せてくれてありがとう」とか、出てるみんながちゃんと「ありがとう」と言い合えるようなフェスなんです。実は、そういうフェスってあんまり多くないんですよ。そこにはちゃんと理由があって、アーティスト全員がプロモーション関係なく出ているからだと思うんです。

TAKUMA:僕らが京都大作戦を始めた当初は、どちらかというとバンドが調子いい時期ではなかったんですね。喉を痛めてツアーを休んだりもしていた。しかも、京都大作戦の1回目は台風で無くなってしまって。でも、その次の年にみんなスケジュールを空けてくれて、全く同じラインナップでできるようにしてくれた。みんながこのフェス面白いよという雰囲気を作ってくれて、その上でフェスが成り立った。今でもそれが続いている。本当にもう感謝しかないですね。謙虚な気持ちとかじゃなくて、本当にみんなに作ってもらってると思います。

増子:京都大作戦とかMONGOL800のやっているWWW(What a Wonderful World!!)は、ホストのバンドに対しての全幅の信頼があるんだよ。来ているお客さんも出ているゲストも、ホストのバンドが自信を持って見てほしいと薦めるメンツを信頼してる。そういうフェスは呼ばれる方としても嬉しいよ。絶対なあなあではやらないし。

茂木:GUNMA ROCK FESTIVALでも、そういうフェスをやりたいなと思ったんです。僕は田舎の意地みたいな感じでフェスをやり始めたんですけど。

TAKUMA:G-FREAK FACTORYは、昔から地元のライブハウスでCOLOSSEUM(コロシアム)というイベントをやったり、地元の人たちと協力して人を集めてフェスを成立させようとこだわってやってきた人たちなんです。フェスブームみたいなものが来る前から地道にコツコツやってきた。で、自分もああいう形になるまでの紆余曲折やトライアンドエラーをいろいろ見てきた。だから実現して嬉しかったですね。みんなの力を借りて、ライブハウスでやっていたことのサイズを大きくして、開催されてからも少しずつトライアンドエラーを繰り返してよくなっていっている。お客さんも、参加しているアーティストも、他人事じゃなく自分のことみたいに取り組んでいるイベントなんです。

――増子さんは、ロックフェスを巡る今の状況をどう捉えていますか?

増子:今はフェスが増えすぎてるよね。どこかの大企業や雑誌が主催している大きいフェスもある。それは快適に過ごせるかもしれないけど、たいてい単なる見本市になってるんだよ。バーターで出てんじゃねぇかというのが、子供が見てもわかったりする。そんなのばかり出てると、バックヤードが全然楽しくないんだ。バンド同士、友達と友達を会わせるということがない。

——アーティスト主導のフェスはそうではないことが多い?

増子:例えば京都大作戦に出て、見たことないバンドがすごくいいライブをしていたとするよね。そしたら、10-FEETが間に入ってくれて、そいつらと知り合うきっかけを作ってくれる。そこから対バンしたりスプリットを出したりする可能性もかなりあると思うんだよね。今は商業ベースのフェスの方が大きくなってきているけど、本来はそうじゃないと思う。もちろん意思のある方が残ると信じているよ。ただ、今は二極化してるよね。一方には、アホみたいにお客さんが入るけど、終わったらどのバンドもすぐ帰るようなフェスもある(笑)。京都大作戦だったら誰も帰らないよ。裏でグダグダしてるでしょ?

TAKUMA:嬉しいことに。ありがたいです。

増子:「いい加減帰れよ!」と言いたくなるくらい、バンドが裏に残ってる。いいフェスって、どこもそうだよね。ちゃんといいセレクトがされている。「音楽はそんなに好きじゃないけどこいつらを呼べば客が入るからとりあえず呼んでおく」みたいなのがない。そういうのは長年やってると散々見てるし、呼んでる方も呼ばれてる方も何のメリットもないな、と思う。後に繋がらないもんね。

――バックヤードにバンドがずっと残ってるかどうかはお客さんには見えない部分ですが、その雰囲気はお客さんにも伝わるんでしょうか?

増子:それは絶対伝わるよ。例えば最後に大団円になったりするじゃない。そこがバロメーターだったりすると思うんだよね。ステージに集合しなくても、脇で酔っぱらって見てたり、最後に乾杯したりとかさ。そういうフェスは理想だと思うし、そうあってほしいよね。

――TAKUMAさんはどう思います?

TAKUMA:さっき増子さんがおっしゃったように、二極化はしていますよね。その中で、地方のフェスだったり、アーティスト主導のフェスだったり、コンセプト自体にこだわりやストーリー性のあるものは、やっぱりどこも大体チケットが売り切れているか、続いていると思います。あと、そういうフェスは、自らがメディアになってインターネットでも発信して盛り上げていくサポーター、お客さん、支援する人が本当に多いから、根っこの太い安定感がある。もちろん、大きいサイズですごいラインナップでやっているフェスも、家族連れとか音楽を知らない人への入り口としてはすごくいいと思うんです。でも、音楽カルチャーというところにフォーカスを当てたときに、世の中の若い子たちの遊び方に影響を与える度合いがどちらがあるかというと、人が入ってなくてもこだわりのあるほうやなとは思うんです。

――影響力が違う。

TAKUMA:こだわりをもってやってるフェスは、ラインナップも偏りがあったりするし、サイズは大きなフェスに負けちゃうけれど、でもやっぱりチケットがソールドアウトして続いてるんです。例えば、5000人の規模でこだわりあるアーティスト主導のフェスがあるとします。そこは、知らないアーティストでも興味を持って見てくれるお客さんが多い。だから、いいライブをしたらバンドを支援して広めてくれる。でも、巨大な規模でフェスをやってるところが、そのまま同じラインナップで同じキャパでやっても売り切れないと思うんですよね。そんな気がするんです。

――別のフェスになってしまう、ということ?

TAKUMA:そんな感じがあると思うんです。間口の特性からして違うというか。ロックシーンとマーケットの違いがあるし、異なるカルチャーのオーディエンスが入ってくるという意味では良い結果に繋がる部分はもちろんあると思うんですけど、バンド同士のスプリットとか対バンとか、増子さんが言ってたようなストーリーにはなかなか繋がっていかないんですよ。でも、こだわりのある方だったら、露骨に繋がっていきますよね。そうやってこの3バンドも繋がってきたと思ってるし。なんか世話焼きババアみたいな主催者が常にいるんですよ(笑)。「絶対こいつら一緒にやったら合うと思うんだよね」とか言ってて。で、「あいつも言ってくれたし、一回やります?」みたいに、その世話焼きババアの顔を立てる意味も含めて、その後で対バンしたりする。そういうのって、音楽カルチャーとして健全だと思うんですよ。そこに損得もあまりない。そういう場所に人が集まっているのが、ロックシーンというか、ストリートシーンというか、そこのカルチャーの根本にあったもんやと思う。そのつるんでる不良感、大人が真剣になって遊んでいる姿とか、大人になりきれていない人たちが遊んでいる格好良さみたいなものに惹かれてオーディエンスが集まってると思うんです。

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