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ITライター柳谷智宣の「賢いネットの歩き方」第79回

五輪エンブレム盗作疑惑で注目度急上昇中! パクリ検証作業に「Google画像検索」が大活躍

gorin0821.jpg東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会公式サイトより

 五輪エンブレムのデザイン盗作疑惑で、デザイナーの過去の作品までネットユーザーの手によってほじくりかえされ、連日ニュースをにぎわせている。よくも見つけた、と感心したくなるソースまで発見する手腕には驚くことだろう。彼らは、まず「Googleの画像検索」を利用する。デザイン部分をトリミングして、「Google画像検索」にドラッグ&ドロップすると、類似画像が一覧できるのだ。

 取り下げ騒ぎになったサントリートートバッグのデザインのうち、「BEACH」などは一発で検索できる。その際、背景の色を変えたり、文字などの要素を排除すると見つかりやすい。パクる際は、画像を反転させる人が多いので、反転した画像で調べてみる手もある。一部をトリミングしたような画像の場合、失われた部分を適当に補完して検索すると、元画像が見つかりやすくなる。

 画像をいじるのが苦手なら、言葉で画像検索してもいい。試しに、最近の画像が引っかからないように、期間を指定して検索してみよう。「2014年12月31日以前」という条件で、「デザイン 矢印 BEACH」と画像検索してみればいい。1ページ目に、ビンゴの画像が出てくる。「食べかけのスイカのイラスト」「猫が顔を出しているデザイン」でも、似たデザインがごろごろとヒットする。外国のアーティストからパクッている場合も多いので、英語で検索してもいい。そして、類似画像から人の目で同じ画像を見つける作業に入るのだ。

 一旦炎上したら、“ネットイナゴ”たちの検索能力は計り知れない。疑惑をかけられた当人はもちろん、その人を擁護したり、つながりのある人たちの過去もすべて暴かれてしまう。ネットイナゴは燃料がある限り、すべてを食い尽くすまで止まらない。こうなると、理論武装も耳を閉じてスルーも泣き落としも通じなくなる。唯一効果があるのは、デマの流布で薄める手法。現在も、あまり似ていない画像を組み合わせて「盗作だ!」と騒いでいるサイトがあるが、普通の人が見れば「それはこじつけだろう」とすぐにわかる。そんな情報が増えると、「あれ、もしかすると全部こじつけなのかも」という意見が出始めるかも……いや、今回は一部を認めてしまっているので、もう撤退してやり過ごすしか手はない。何をどうしたって、東京五輪本番までの5年間を乗り切ることは困難だろう。
(文=柳谷智宣)

最終更新:2015/08/22 19:30
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