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週刊誌スクープ大賞

「古舘伊知郎はよくやった」『報ステ』降板に、元名物編集長は何を思う?

 第2位は「イクメン育児休暇騒動」。昨年12月21日、自民党の宮崎謙介氏(34)が、党の国会対策委員会に、約1カ月の育児休暇取得を申し出たことだった。その半年ほど前、当選同期の金子恵美自民党代議士(37)と結婚し、2人の間に2月の中旬、第一子が産まれる予定なのだという。

 しかし、国会には育児休暇の規定がないため、代議士は本会議が開かれるごとに衆院議長に欠席届を提出するという。むろん、男性の国会議員が、育児を理由に国会を長期欠席した前例はない。

 新潮は「国政を担う政治家には、それに伴う覚悟が必要なはずである。その覚悟とは、なによりも優先して公に尽くすことではあるのは言うまでもない。果たして、イクメン代議士は、政治家の姿勢として相応しいのだろうか」と疑問を投げかける。

 彼の発言は自民党の中だけでなく、永田町でも賛否両論入り混じっているようである。自民党の谷垣幹事長は、出産や育児の休暇は、雇用主と雇用されている人との関係で規定されている。「国会議員はそういう身分関係とは違う」と苦言を呈したという。

 また2人の結婚披露宴に出席した菅官房長官は、挨拶で、育休を取るための議員立法を超党派で作ったらいいと後押ししたという。

 また野党の蓮舫参議院議員は、Twitterで「国会議員の育児休暇は、給与も全額保証で民間よりはるかに優遇されている」と批判し、炎上を招いたという。

 新潮は何人かの代議士の例を出しているが、ほとんどの議員やその家族たちが、家庭を顧みる余裕がなかったり、父親が不在だった経験を持っているとしている。

 また、国会に奉仕するという職務に専念してもらうため、国会議員には特別待遇が用意されている。歳費とボーナスで年間約2,100万円という高額な収入、月額100万円の文書通信交通滞在費、JRの無料バス、都心に建てられた議員宿舎など。当然のことながら、国会議員としての仕事を放棄しながら、その特権だけを享受するというのは、国民感情としては受けいれられるはずもないと批判する。

 京都大学の中西輝政(68)名誉教授も、こう難じている。

「今夏には、衆参ダブル選があるという見方も出てきています。少子化対策にかかわる問題は、国民の中でも関心は高い。育休発言は、単に注目を集めんがためのパフォーマンスにしか見えません。国会議員が何か目立つことをすると、選挙目的と見られがちではありますが、本当に育休問題に取り組みたいのであれば、政策面からの貢献を考えなければならないはずなのです」

 一般の国民と政治家とは仕事の内容、その重さが違うという意見はわからないでもないが、私は、代議士が育児休暇を取るというのをそれほど非難する気にはなれない。

 さまざまな考え方の代議士がいて、国民はその考え方、生き方を見てその候補に投票するかどうかを考えればよいのである。

 育児休暇を取るのならばバッチを外すのが筋だという言い方は、私には少し酷だと思うのだが。

 ここで私事を少し書かせてもらう。1月9日に私の友人が亡くなった。イギリス人で78歳。コーリン吉澤という。一般的には無名の人だが、彼を知る人たちの間では超有名人である。

 英会話の教師をしていた。私も生徒の一人だった。だが、彼はほとんど日本語をしゃべれない。英語のわからない私と日本語のわからないコーリンとの週1回の授業は、10年近く続いた。英会話はまったく上達しなかったが、彼とは親しい友人になった。

 背は低いがラグビーで鍛えた胴回りは、私が腕を回しても届かなかった。昔は、「エビス・ビール」のテレビCMに出て「イエーイ、エビス」とやっていたこともある。陽気で包容力のある、素晴らしい男だった。

 年下の奥さんとはスペイン旅行中に知り合い、日本に来て結婚してから30年以上になる。ジントニックが大好きで、飲むと誰とでも親しくなった。『ダーリンは外国人』(メディアファクトリー)という本がベストセラーになったが、私が知る限り、もっと面白い夫婦だった。奥さんにはぜひ本を書いてくれるように頼んでいたが、昨年夏以降、急速に体が弱ってきた。

 暮れの30日、奥さんの故郷である長野に移り住んでいた彼の見舞いに行ってきた。かなり痩せていて、春ぐらいまでは頑張ってくれと声をかけてきたが、残念なことになってしまった。

 大変な読書家だった。私がもっと英語が話せれば、彼がイギリスを出て世界を回った思い出や、日本についてどう考えているかを聞けたのだが、惜しいことをした。唯一の外国人の友人を亡くし、心底落ち込んでいる。

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