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2ケタキープの高畑充希『過保護のカホコ』家族愛への“盲信とエゴ”を描く、ほのぼの悪意

2ケタキープの高畑充希『過保護のカホコ』家族愛への盲信とエゴを描く、ほのぼの悪意の画像1日本テレビ系『過保護のカホコ』番組公式サイトより

 過保護に育った女子大生が社会に飛び出して悪戦苦闘する話と見せかけて、実は家族との付き合い方がテーマっぽいことが見えてきた、遊川和彦脚本の『過保護のカホコ』(日本テレビ系)第7話。視聴率は10.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、横ばいながら今週も2ケタキープです。

 今回は、過保護のカホコ(高畑充希)が周囲の影響で自立を促されたことで、さらに家族への依存を強めていく様が描かれました。カホコは、まったく社会に飛び出しません。というわけで、振り返りです。

前回までのレビューはこちらから

 前回、「朝も一人で起きるし、駅まで自分で歩く」とママ(黒木瞳)に宣言し、「ママは金輪際、口を出さないから」と言われたカホコ。目覚まし時計を3つセットして、なんとかひとりで起きることに成功しました。さらに、着ていく服を自分で選ぶことにも成功。さらに、お弁当をひとりで作ることにも成功しました(中身はふりかけごはんとバナナ、ゆで卵、ツナ缶ですが)。

 一方のママも、カホコの手伝いをしたくて仕方ありません。表向きは「別に……」という素振りですが、心配で仕方がない様子。

 そんなカホコには、守らなければならない秘密ができてしまいました。ママのママであるばあば(三田佳子)が重い心筋症で、いつ死んでもおかしくない身体だと知ってしまったのです。ばあばの願いは、実家で静かに死んでいくこと。そして、今までみたいに家族仲良く、たまにみんなで集まってご飯を食べたりするような、普通の生活をしながら余生を生きることでした。

 そして、今度の日曜日は孫娘・糸ちゃん(久保田紗友)の誕生日。ばあばは、この日もみんなが仲良く集まってパーティすることを望んでいます。

 糸ちゃんといえば、神経の病気でチェリストになる夢が破れてからというもの、すっかりグレています。親戚のことは全員大嫌いだし、カホコのことが特に嫌いだし、当然誕生パーティなんて出るわけがない。糸ちゃんママの節ちゃん(西尾まり)もそれがわかっているので、今年の糸ちゃん誕生日会は中止にしたいとばあばに申し出ます。

 また、ママの上の妹である環ちゃん(中島ひろ子)も、親戚に会いたくないと言いだしました。喘息持ちの環ちゃんが入院している病院を訪れたカホコは、またひとつ秘密を抱えてしまうことになりました。

 環ちゃんは「私、嫌な人間だから、みんなに合わす顔がない」と言います。そして、喘息が出るとストレスで万引きをしてしまう常習者であることを告白します。旦那の衛くん(佐藤二朗)もそれを知っていて、アル中寸前の自分と万引き常習の環ちゃんが「お互いダメで弱い人間だから、支え合っていかなきゃ」と結婚したのだそうです。

「でもやっぱりダメみたい……」

 環ちゃんのこぼすため息に、カホコは言葉をつなぐことができません。人生経験の乏しいカホコには、想像すらできない状況だからです。

 想像すらできない相手の心境は、無視するに限る。というのが、カホコのやり方のようです。「それでも家族だから」の一点張りで、糸ちゃん誕生会に全員集合させるために奔走します。それはもちろん、ばあばの願いだから、ということもありますが、それも含めて今回、カホコが実にエゴイスティックな人間として描かれます。せっかく付き合い始めたハジメくん(竹内涼真)の「家族と別れたほうが幸せだってこともあるだろ」という一般論にも耳を貸さず、それどころかハジメくんを捨てた母親に「会いに行かない言い訳?」とか、けっこうひどいことを言い放ちます。

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