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『コンフィデンスマンJP』もう”パクリばかり”と言わせない! 脱“嫌われフジ”の鍵を握るパロディ演出

 5月7日放送の『コンフィデンスマンJP』(フジテレビ系)、第5話「スーパードクター編」。

 リチャード(小日向文世)は盲腸のオペを有名外科医・野々宮新琉(永井大)に頼もうとするも、執刀したのはパッとしない田淵安晴(正名僕蔵)だった。実は田淵は腕利きの外科医であり手術は無事成功。新琉が有名になれたのも、田淵が影武者として代理執刀していたおかげだった。それにもかかわらず、野々宮総合病院理事長の野々宮ナンシー(かたせ梨乃)は田淵を解雇。ダー子(長澤まさみ)とボクちゃん(東出昌大)は、田淵の後釜の影武者として病院に潜り込む。そして、ナンシー自身を大動脈瘤と嘘の診断をし、手術代として約3億円を騙し取ろうとしていた。

 以上が第5話のおさらい。ただのぶっ飛んだコメディ回にも見えるが、フジテレビのドラマ作りのターニングポイントとも言える要素が含まれた。何が転換点なのかを、第5話の魅力を交えて、この記事では紹介していく。

(これまでのレビューはこちらから)

■かたせ梨乃の生脚が5話の魅力の象徴?

 第5話の見どころと言えば、ゲストの魅力を引き出した脚本と演出だ。

 Twitterなどでは山田孝之の登場に歓喜の声が上がった。わずか1分程度のカメオ出演であったが、「あんたは仕事を選んだ方がいい!」というボクちゃんのツッコミが、山田孝之自身にも向けられたセリフでクスッと笑えた。

 気は優しいがプレッシャーに弱い新琉役の永井も、実はゲスな田淵役の正名もハマり役だったと言える。新琉の成長や田淵が病院に戻るのを期待しつつ見るストーリーの構造だったが、新琉はオペから逃げ出すし、田淵は恨む患者に捨てセリフを吐いて執刀を拒む始末。葛藤と成長を見せるのがドラマの基本構造であるが、葛藤を抱えたまま煮え切らないのが人生のリアル。役者の演技も相まって納得することができた。

 特に野々宮ナンシー役のかたせが素晴らしい。ダー子たちに騙されたとわかっても一笑に付し、その失敗で病院を手放すキッカケに変えてしまう強さがあった。試合に負けて勝負に勝つタイプの悪役は今回が初めてかもしれない。

 また、ミニスカのゴルフウェア姿のかたせの生脚は、鼻血が出るほど美しかった。普通の感覚なら、60すぎの女優の生足を晒す発想は出てこない。それだけ、役者の長所を演出家が理解していたのだろう。役者の強みを前に出し弱点を薄める匙加減に優れた田中亮氏の演出だったからこそ、5話のゲストたちは輝いたと言える。

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