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「声だけで泣ける」奇跡のシンガーソングライター・奥華子インタビュー

okuhanako_int.jpg現在の赤いメガネは2代目なんだとか

「声だけで泣ける」――そう評価され、ネットを中心に全国区の人気を獲得したシンガーソングライター、奥華子。

 2004年にキーボード弾き語りによる路上ライブを渋谷でスタートさせ、関東を中心に1年間で2万枚の自主制作CDを手売りするなど驚異的な路上ライブが話題となり、メジャーデビュー。その後「TEPCOひかり」などの数々のCMソング時をかけ、06年に公開された劇場版アニメ『時をかける少女』の主題歌「ガーネット」が大ヒット──そんな彼女の4枚目のアルバム『BIRTHDAY』が7月15日に発売される。「神曲」とも評される歌声の持ち主に、さっそく近況を聞いてみると――。

――今回のアルバムはどういった仕上がりでしょうか?

 今までで一番、曲の幅が広がったアルバムだと思います。ポップなアレンジのものからシンプルな弾き語りのもの、明るいものから暗いものまで、いろいろ入れてみました。それと、全体的に前向きなメッセージの曲が多くなりましたね。今まで私の曲は、”暗闇の中に一筋の光を見つけにいく”というイメージが強かったのですが、今回はその光がもっと強く、前向きです。

――思い入れのある曲は?

 「笑って笑って」という曲。これは6月にシングルになりましたが、実は以前、インディーズでも出したことがあるんです。私は04年に路上ライブを始めたのですが、この曲は、そのころからずっと歌い続けていて大切にしてきた曲です。去年、『誰も知らない泣ける歌』(日本テレビ)という番組に取り上げてもらったり、ファンの方の中ではお馴染みの曲でもあったんですが、もっと多くの人に知ってもらおうとシングルとして発売して、今回のアルバムでは1曲目に収録しました。でも一度CDにしている曲なので、レコーディングにも時間がかかったし、こだわりも強いです。

――今でも、路上で歌っていたころのことを思い出しますか?

 路上の前にも、5年ほどライブハウスで歌っていてデビューを目指していたんですが、まったくダメで。新しい気持ちでイチからやり直そう、と思って路上ライブを始めたんです。すでに年齢も25、26歳だったし、とにかく後がなくて、心細かったですね。でも自分の歌にたくさんの人が足を止めて聴いてくれたことが、全ての原動力になったし、路上ライブがあったから、今の自分がいるんだと思ってます。

――トレードマークの赤いメガネですが、そちらに何か魔法があるとか……。

 路上ライブの時に、メガネをかけたら覚えてもらいやすいかも?と思って、はじめて赤いメガネをかけて歌ったら、それまではCDが30枚くらい売れていたのですが、その日にいきなり100枚売れたんです。偶然かもしれないんですが、それ以来ゲン担ぎで、ずっとかけています(笑)。

――その後、メジャーデビューを果たし、CMソングを手がけた後、映画『時をかける少女』の主題歌の担当……と進んでいくことになりますが、主題歌に決まったときはいかがでしたか?

 嬉しかったし、私でいいのかなあ、と。でも監督には「奥さんらしく作ってほしい」と言われて、頑張ろうと思いました。それで、絵コンテと脚本を何度も読んで思い浮かんだのが「変わらないもの」という曲。監督にお渡ししたら、とても気に入って頂いたのですが、「エンディングには切なすぎる。この曲が似合うシーンがあるので、どうしてもそこに使いたい」と言って頂いて、挿入歌になってしまって(笑)。なので主題歌を作り直したんですが、今度はなかなか書けなかったですね。結局7曲くらい作ってボツになり、最後に「ガーネット」を作ってようやくOKがでました。

――『時をかける少女』をきっかけに奥さんの歌を知った人はとても多いと思います。

 そうですね、今でも「映画をきっかけに知ったよ~」と言われることは多いです。あと、「ニコニコ動画」や「YouTube」を見てると、ネット上で自分の音楽が映像と一緒に使われていることが多くて。そういう風にたくさんの人が私の音楽を使ってくれるのを見ると、面白いし嬉しいですね。

――奥さんもニコニコ動画を見たり、パソコンを使うほうですか?

 オタクです(笑)。もともとパソコンがまったく使えなかったんですが、デモをMP3で録るようになってから独学で覚えました。自分のHPを更新したり、仕事をしたり、今ではパソコンの前にずっといる生活。あと、ネットショッピングが大好き。多いときは1日2~3回荷物が届くので、宅急便のおじさんと仲良くなっちゃって(笑)

――それはすごい(笑)。そのネット上で奥さんの曲は”泣ける歌”と言われています。そのことについては、どう感じていますか?

 嬉しいですよね。ただ、自分では「泣かそう」とは思ってないんですよ。でも、曲を作る際に、「自分が泣けるか泣けないか」というのはポイントかも。歌いながら感情がうわっと溢れてくるか、それは曲作りのバロメーターにしています。

――ちなみに最近プライベートで泣いたことは?

 私、実はすぐ泣くんですよ。CMやドラマの予告とかで泣いたり、ちょっとしたことですぐ泣いちゃうんです(笑)

――では、そんな奥さんの曲を聞いている読者に、ぜひメッセージをお願いします!

 今生きてることや毎日繰り返していることは当たり前なんかじゃなくて、そのひとつずつに必ず意味がある、そういう気持ちをこめて最新アルバムを作りました。ちょっと落ちこんだ時とか、きっと笑顔になれる曲が詰まっているので、是非是非聴いてもらいたいです!

おく・はなこ
1978年、千葉県生まれ。04年ころから千葉県柏市、津田沼市などでの路上ライブで話題を集め、05年にポニーキャニオンからメジャーデビュー。06年公開のアニメーション映画『時をかける少女』で主題歌を担当し、ネット上を中心にムーブメントを巻き起こした。以降も精力的なライブ活動を展開している。オフィシャルHP

BIRTHDAY

うーん、いい曲。

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最終更新:2009/07/10 15:00
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