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『SRサイタマノラッパー~マイクの細道~』第3話 ノスタルジーとの決別、新将軍としての旅立ち!

 劇映画における嘔吐シーンは非常に重要だ。ロードムービーの名作『スタンド・バイ・ミー』(86)に実話もの『アポロ13』(95)でもゲロシーンが強烈な印象を残している。IKKUが吐いたゲロも、『マイクの細道』を大きく動かすきっかけとなる。IKKUがゲロを浴びせたトラックは、案の定、IKKUと相性が最悪のデブドライバー・カブラギ(猿川皆時)のデコトラだった。

 あわててTOMがバケツで水を掛け、MIGHTYが雑巾で拭き取ろうとするが、なぜかペイントがはげ落ちてしまう。水性絵の具で描いたデコトラなのか? お風呂で流れ落ちる刺青みたいなものか? それはともかく、情けない状態になったデコトラを見て、カブラギは大激怒。「このペイントは男の勲章だ。トラック野郎の命だ」と怒り狂うカブラギは、IKKUたちを港に正座させて本名を名乗らせる。IKKU=加賀谷郁美、TOM=本間友弥、MIGHTY=松本樹。本名が明かされると、魔法が解けたカボチャの馬車のように、3人はますますヘタレに見えてくる。

 カブラギから「ペイントの修理代、120万円」を請求されたIKKUたちはお金を持たないため、トラックの荷物の搬入を手伝わされるはめに。再結成した「SHO-GUNG」としての初コラボがトラックの荷物運びとはトホホすぎる。当然1回の搬入だけでは120万円に足りるはずもなく、カブラギのトラックに乗って岩手県での荷物おろしも手伝うことになる。全然かっこよくないけど、IKKUたちにはぴったりの旅立ちの仕方だろう。

 午後3時に港を出発することになった一行。大間で世話になった人にあいさつしてくると町へ戻るMIGHTY。7年間離れていた間にMIGHTYとの間に少し溝があることを感じていたIKKUだが、付き合いの長いTOMとはリラックスして即興ラップでやりとりができる。

TOM「SHO-GUNGには新しい曲が必要、おニューなトラックでライブかましたいな♪」

IKKU「イェイェ~、チャンスとマイクは自分の手でつかむ。でもトラックだけはDJに頼む~♪」

 大間郵便局前を歩きながら明らかになるのは、新生「SHO-GUNG」の問題点。3人には劇場版『SRサイタマノラッパー』(09)で披露した「教育 金融 ブランニュー」という名曲があるが、クラブチッタでライブをやるには1曲だけでは間が持たない。できれば、その後の「SHO-GUNG」の歴史を感じさせる新しい曲がほしい。とはいっても、お世話になったTKDこと伝説のタケダ先輩は7年前に亡くなってしまった。新しい曲は誰に頼むか? TOMが創るのか? せっかく下北半島まで来ているんだから、恐山でイタコにタケダ先輩を呼び出してもらえばいいのに。天国からのライムは一体どんな味だろうか?

 そうこうしているうちに、午後3時となりカブラギ号が出発することに。MIGHTYは『SR1』の頃に着ていた懐かしいジャケットに着替えての旅立ちだ。まぁ、マグロのロゴが入った上着のままだとロックフィッシュバンド「漁港」の二番煎じになってしまうしな。だが、ここで気になるのは『SRサイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』(12)でMIGHTYと同棲していた彼女・一美(斉藤めぐみ)の存在。東京で問題を起こしたMIGHTYと一緒に栃木へと流れ、刑務所を訪ねたこともある一美だが、大間にはいないらしい。福島の実家で、MIGHTYが迎えに来るのを今もずっと待っているのか。高倉健さん主演作『幸せの黄色いハンカチ』(77)みたいな展開が待っているのか。福島編が今からすごく気になる。

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