「イチロー日本復帰」の芽を摘んだ“不義理球団”オリックスの罪

2019/04/03 10:00

『NHKスペシャル』公式Twitter(@nhk_n_sp)より

「イチローをもう一度日本で見たかった」──イチローの引退を聞いた多くの野球ファンがそう思ったが、本当にその可能性はなかったのか? その答えが『NHKスペシャル』で判明した。

 先月、東京で行われたMLB開幕戦シリーズ第2戦後に引退を発表したイチロー。31日放送の『Nスペ』は、過去の映像を交えてイチローの内面に迫ったが、番組のハイライトは、日本球界復帰の可能性について尋ねたシーンだった。そのインタビューは昨年オフに行われたものだったが、イチローは「僕の中で、日本に戻る場所はない」と断った上で、こう答えた。

「日本でプレーする可能性があったとするなら、神戸でしかない。神戸にそのままチームがあれば考えたと思います」

 イチローが米国に渡ったのは2001年のこと。それまで所属したオリックスは神戸を本拠地とし、チーム名も「ブルーウェーブ」だったが、今や本拠地は大阪に移り、チーム名も「バファローズ」だ。イチローが主軸として活躍した95年、96年にはリーグ連覇を果たしたオリックスだが、その後優勝からは遠ざかっており、イチロー退団以降はBクラスが指定席。日本全国の球場に足を運ぶ熱烈な野球ファンの男性はいう。

「12球団で、いま最もチケットの取りやすいチームがオリックスです。数字を見ると1試合当たり2万人以上入っていて合格点のように思われますが、オリックス戦は他球団のファンに人気なんですよ。ゆっくり見られますから。交流戦の阪神戦やカープ戦などは、どっちのホームゲームかわからないぐらい相手チームのファンで埋まります」

 敵チームのファンでチームが潤うという、なんとも寂しい状況のオリックス。チーム経営も、行き当たりばったりの感は否めない。フリーのスポーツライターはいう。

「オリックスは誕生して30年がたつチームですが、ファンを裏切るようなことを何度も繰り返してきました。長年使ってきた『ブレーブス』という名前を捨てて旧・阪急ファンから見離されましたし、震災後に『がんばろうKOBE』を掲げて優勝しましたが、10年たたずに『ブルーウェーブ』という名前を捨て、本拠地を大阪に移しました。そんなオリックスにとって、かけがえのない宝がイチローです。“50歳現役”を宣言していたイチローはもともと大の中日ファンで、関係者の間では、『最後は中日に入るのでは』と言われていましたが、今回の『Nスペ』で、イチローが特別な愛着を持っていたのは神戸だったことがわかりました。しかし、オリックスは自らの手で復帰プランをつぶしたということです」

“逃した魚”は大きすぎたオリックス。神戸を袖にした代償は、かくも大きかったようだ。

最終更新:2019/04/03 10:00

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