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HIKAKIN、はじめしゃちょー、そしてグーグル頼み?――YouTuberビズの覇者UUUMの“ホント”の財務

文=「サイゾー」2020年4・5月合併号

――YouTuberが所属する企業の中で、ひときわ存在感を放っているのがHIKAKIN、はじめしゃちょーら大物YouTuberが所属するUUUM株式会社だ。2017年8月に東証マザーズへ上場、一時は株価が高騰したが、ここにきて陰りが見えているようで……。

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(絵/河合 寛)

 大手広告代理店の電通が3月に発表した「2019年 日本の広告費」によると、「インターネット広告費」は6年連続2桁成長となり、前年比19・7%増の2兆1048億円。近年、YouTubeなどの大規模プラットフォーマーを中心に売り上げが急拡大している「インターネット広告費」は、初めてテレビメディア広告費(前年比2・7%減の1兆8612億円)を抜き、初の2兆円超えとなった。

 広告ビジネスの市場が大きな転換期を迎える中、「テレビからネットへ」という時流を味方につけ、近年インターネット動画広告の分野において急成長を遂げたベンチャー企業の代表例として挙げられるのが「UUUM」である。同社は、HIKAKINやはじめしゃちょーなど、人気YouTuberのマネジメントを手がけている。

「大学を中退して、光通信で携帯電話の販売をしていた鎌田和樹氏(UUUM株式会社CEO)が2013年に設立しました。創業当初は、ON SALEという会社名でしたが、間もなくしてUUUMに変更しました。新しい会社名を思案しているときに、なかなかいいネーミングが浮かばず、創業メンバーのひとりが『う~む』と声に出したことが社名の由来だそうです(苦笑)。その当時のインターネット広告の市場規模は、現在の半分以下という時代だったのですが、電通の営業マンたちは、『テレビよりも広告費は安いし、しかも閲覧数も一目瞭然です』と、大手のクライアントに対して積極的に営業を仕掛けるなど、インターネットによるタイアップ広告を浸透させようと、試行錯誤している時期だったんですよ。UUUMを立ち上げたばかりの鎌田氏も営業に奔走する中、たまたま電通からオファーがあり、HIKAKINを起用したトヨタやロッテの商品を宣伝するタイアップ動画を配信する仕事が転がり込んできた。いわゆる、今話題の“電通案件”をこなすことで、会社は軌道に乗っていったんです。さらに当時、米グーグルはYouTubeを多くの日本人に広く知ってもらうために、HIKAKINを起用したテレビCMなど、一大キャンペーンを行っていました。つまり、UUUMは、国内初のYouTube専門のタレント事務所として、競合他社がいない中、独り勝ちになったんですよ」(IT業界専門誌記者)

 UUUMは、17年8月には東証マザーズに新規上場。同社のリリースによると19年5月期通期の売上高は前年同期比68%増の197億円、営業利益は同74%増の12億円を計上している。また、株価については昨年2月に6870円にまで高騰し、時価総額は1000億円を超えることもあった。まさに飛ぶ鳥を落とす勢いで急成長を遂げてきた。そんなUUUMの売り上げの約6割を占めるのが、動画再生回数に応じてYouTubeから受け取るグーグルのアドセンス収入である。ここでは同社の財務状況と今後のビジネスモデルについて検証してみたい。

YouTuberは薄氷のビジネスか?

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売上高(四半期)推移: 所属する人気YouTuberが出演するライブイベントの開催やグッズ販売など、新規のビジネスの柱を模索しているが、現状では売り上げの半分以上を占めるのがアドセンスといわれるYouTubeからの広告収入頼みの経営が続く。

 サイバーエージェントの調査によると、20年の動画広告の市場規模は3289億円だが、23年には5065億円にまで拡大すると予測している。こうした中、創業から8年目を迎えるUUUMは、これまで右肩上がりの成長を続け、また市場環境的に見れば、将来性は十分あり、今後さらに同社の売り上げがアップする見込みもあるのだが、ここへきて実は、そのビジネスモデルに陰りが見え始めているという。大手芸能プロダクションなどの財務も担当する公認会計士が指摘する。

「同社が急成長した要因は、インターネット動画広告の黎明期に、鎌田氏がHIKAKINやはじめしゃちょーを発掘し、そんな彼らの活躍に刺激を受けた、多くの志望者たちがUUUMに殺到し、人気YouTuberを囲い込めたことです。それにより同社の売り上げは急増した。もちろんこれは鎌田氏による最大の功績ですが、結局それだけだった。ほかが真似することができない、目新しいイノベーションがあったわけではないんです。また、誰もが動画を投稿できるのがYouTubeの特徴で、テレビなどを主戦場にする芸能プロダクションよりもはるかに参入のハードルは低い。そのため、すでに後発のYouTuber専用のタレント事務所は複数存在しています。今後の動画広告の市場拡大に伴い、ますます新規参入は増え、競争が激化するのは避けられない状況です。兜町関係者の間では、同社の成長を懸念する声が強まっています」

 UUUMの経営モデルが脆弱である最大の要因は、巨大プラットフォーマーであるYouTubeへの依存度の高さである。

「昨年9月、米連邦取引委員会は、グーグルと傘下のYouTubeが閲覧履歴など子どもの個人情報を違法に収集していたとして約180億円の制裁金を課しました。これを受け、YouTubeにおける子ども向けコンテンツの規約変更が行われ、利用者を特定した動画広告が流せなくなったのですが、この変更はUUUMのアドセンス事業にも大きな影響をもたらすといわれています。つまり、すべてはYouTubeを運営している米グーグルの方針によって、経営が左右されるということ。そのことについては同社の経営陣も理解しており、IPO直後から多額の資金を投入、M&Aや業務提携などを推し進めているが、その効果はいまだ出ていません」(前出・公認会計士)

 さらに、同社の有価証券報告書には、事業等のリスクとして、このように明記されている。

〈当社グループの業績は、当社所属の人気クリエイターに依存しています。そのため、上記のような人気クリエイターの活動が休止・停止した場合や、スキャンダルや炎上によりクリエイター活動に影響が生じた場合、また当社グループがマネージメント戦略上クリエイターの活動を抑制した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります〉

「ここからわかることは、UUUMの屋台骨を支えている事業は、不確定要素の多い薄氷のビジネスだということ。人気キャストの売り上げが店舗の収益に直結するホストクラブやキャバクラ同様、動画再生回数を稼げる人材の発掘は同社の生命線であり、人気YouTuberの囲い込みが欠かせないのですが、競争が激化する中、苦戦を強いられているようです」 (同)

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