日刊サイゾー トップ > カルチャー  > 『AKIRA』20周年ライブ! 芸能山城組の“行動する文明批判”

『AKIRA』20周年ライブ! 芸能山城組の“行動する文明批判”

yama_live.jpg『AKIRA』で大活躍する、インドネシア・バリ島の
巨大な竹のアンサンブル「ジェゴグ」

 1988年公開のアニメ映画『AKIRA』といえば、先日ハリウッドでの実写化も発表された、最近の「クールジャパン」ムーブメントの原点。その先進的な映像表現に加え、選りすぐりの民族芸能をベースに電子楽器や最先端の音響技術を融合させた、マルチパフォーマンス集団・芸能山城組による音楽は、世界に衝撃を与えた。

 そして公開20周年を記念し、『AKIRA』の楽曲を中心としたジェゴグ・ライブを含むステージが、5月24日に開催される。この20年の歩みを、かつてレコーディングに参加した山城組メンバーのひとりはこう語る。

yama_stage.jpg山城組ならではの“群れ”によるスペク
タクル表現を追求した群芸「鳴神」

「スタジオで精緻を極めて創られた『AKIRA』の楽曲をライブで演奏することは、至難の業でした。しかし、ジェゴグの研究改良と音響技術の発展、それに山城組の“群れ(共同体)”としての取り組みが熟して、ようやくライブができる射程距離に入ったのが今回の公演です」

 実は山城組は、全員が音楽や舞台以外の生業や学業を持つ「普通の人々」の“群れ”。アマチュアであることを深いコンセプトに据えた実験集団でもあるのだ。

「特別な専門的訓練をしなくても、システムの力で高度な表現を実現できるのが、ジェゴグなどの“群れ”型芸能の特徴。山城組の芸能は、一部のプロだけが芸術の担い手となる西欧近代固有の専門化社会とは大きく違う方向性を持つ文明の洗練を示す、ひとつの証拠です。いわば“行動する文明批判”なんです」(同)

 多分それは、メディア作品偏重の今の「クールジャパン」では味わえない本質。ぜひライブで体感を!
(中川大地)

※写真上
『AKIRA』で大活躍する、インドネシア・バリ島の
巨大な竹のアンサンブル「ジェゴグ」。公演第一部で演奏。未体験の超重低音による癒やしの響きと16ビートの躍動感が特徴。写真/島崎哲也太

※写真下
歌舞伎十八番の「鳴神」を換骨奪胎し、山城組ならではの“群れ”によるスペクタクル表現を追求した群芸「鳴神」。公演第二部で上演。伝統と現代、土俗と絢爛とが混淆する祝祭空間は、「クールジャパン」のもうひとつの原点。写真/大橋力

芸能山城組春祭2008
二部構成で、第一部は「バリ島の巨竹交響打楽ジェゴグ! 大地の響き・アンコール」、第二部は「山城流スペクタクル 群芸『鳴神』」となっている。
日時/5月24日(土)開場16時30分〜、開演17時〜 会場/なかのZERO大ホール(東京都中野区) 料金/[前売]S席4000円、A席3000円 問い合わせ/03-3366-4741 http://www.yamashirogumi.jp/

AKIRA DTS sound edition

『AKIRA』ファンなら、必携のアイテム!

Amazonで詳細を見る080314amazon.gif

【関連記事】 『20世紀少年』は駄作?“天才”浦沢直樹はホントに面白いか
【関連記事】 アッコも登場! アニメ『ヤッターマン』がヤバイくらいに暴走中
【関連記事】 よゐこも興奮! キン肉マン29周年で記念プロジェクトが続々

最終更新:2008/06/06 18:54
ページ上部へ戻る

配給映画

トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • twitter
  • feed
特集

【4月開始の春ドラマ】放送日、視聴率・裏事情・忖度なしレビュー!

月9、日曜劇場、木曜劇場…スタート日一覧、最新情報公開中!
写真
インタビュー

『マツコの知らない世界』出演裏話

1月23日放送の『マツコの知らない世界』(T...…
写真
人気連載

山崎製パンで特大スキャンダル

今週の注目記事・1「『売上1兆円超』『山崎製パ...…
写真
イチオシ記事

バナナマン・設楽が語った「売れ方」の話

 ウエストランド・井口浩之ととろサーモン・久保田かずのぶというお笑い界きっての毒舌芸人2人によるトーク番組『耳の穴かっぽじって聞け!』(テレビ朝日...…
写真