『金色のガッシュ!!』原稿紛失訴訟は小学館が非を認め和解に
法廷では雷句氏が自らのカラー原稿を手に、マンガ原稿がいかに価値のあるものであるかを強調。「漫画家はこのように本当に情念を込めて原稿を描きます」と訴え、マンガ原稿が紛失しても賠償金を払えば済むというようなことが慣習化すれば、漫画家の創作へのモチベーションも下がりかねないという趣旨を熱弁した。
一方、被告の小学館側は、原稿が紛失した管理体制の不備や雷句氏がこうむった精神的な苦痛についていずれも認知し、全面的に非を認める形となった。また、紛失した原稿を撮影したポジフィルムについても、雷句氏に返却することが確認された。ただし、紛失原稿の財産的な価値については「一概に言うことができない」という意見を示した。
これを受けて、裁判所は原告と被告の双方に和解を勧告。双方ともこれを受け入れることで合意し、初回の弁論は6分ほどで終了した。今後は、紛失原稿の価値について審議が進むことになる。
今回の事件では、原稿を紛失した経緯について、小学館側は「コメントできない」「説明ができない」と繰り返すばかりで、原稿や作家を軽視しているのではないかという可能性を露呈することとなった。
今回の裁判で小学館が全面的に非を認めたことについて、雷句氏は「ファンの方々の力がとても大きかったと思います。とても多くのファンの方々が声を上げてくれたからこそ、小学館があれほどすんなりと責任を認めたのだと考えています」と述べた。また、今回の裁判に至った経緯についても、一部の編集者による度重なる不誠実な対応や、若い漫画家などへの心無い言動に対して、やむなく起こしたものであり、「法廷という公の場にこの問題があげられることで、反省してもらいたいというのが本当の気持ちです。これによって(漫画家と編集者の)関係がよくなっていくことを望んでいます」と続けた。
当日は現役の漫画家なども傍聴に訪れ、ある若い漫画家は「こうしたケースはほかにも多い。今回、雷句先生が声をあげて下さったことは、本当に心強い。この事件は風化させてほしくない」と語った。
次回の弁論は、9月22日13時30分、東京地裁606号法廷で行われる。
(橋本玉泉)
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