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社会

公開直前映画『イキガミ』原作コミックに剽窃騒動



 18日、人気コミック『イキガミ』に対して、作家・星新一(97年没)の遺族が「剽窃ではないか?」と発行元の小学館に抗議していたことが明らかになった。

 「星新一公式サイト」で星氏の次女・星マリナ氏が記したところによると、マリナ氏は『イキガミ』について「星新一の小説『生活維持省』に似ていると、ネットなどで指摘されていますが、原作許可を求められた事実も、許諾を与えた事実もありません」とした上で、小学館と作者に問い合わせを行ったものの、「作者が事前に『生活維持省』を読んだ事実はなく、似ているとすれば偶然」との回答を得たと記している。

 また、マリナ氏はサイト上で両作品のあらすじを以下のように要約し、比較検討している。

●生活維持省

舞台となる国には、国民の命をランダムに奪うことによって人口を抑制し、それによって国民の生活水準を高め平和を保つという法律がある。その法律を施行する生活維持省に勤める、若くて独身の男性公務員が主人公である。彼は、上司である課長から、その日の死亡予定者の情報が書かれたカードを数枚受け取る。同僚と車に乗って死亡予定者の家へ向かいチャイムを押すと、母親が玄関へ出てくる。公務員が、その家の娘が国家によってランダムに選ばれた死亡予定者であると告げると母親が動揺する。母親は、公務員の説明を聞き、苦しみながらも娘の死を受け入れる。公務員は、この家の娘を殺害しなければならない。

●イキガミ エピソード1

舞台となる国には、若い国民の命をランダムに奪うことによって国民に命の尊さを教え、それにより国家の繁栄を保つという国家繁栄維持法という法律がある。その法律を施行するのは、厚生保健省である。「イキガミ」の主要登場人物は、区役所に勤める、若くて独身の男性公務員である。彼は、上司である課長から、その月の死亡予定者の情報が書かれたカードを数枚受け取る。車(タクシー)に乗って死亡予定者の家へ向かいチャイムを押すと、母親が玄関へ出てくる。公務員が、その家の息子が国家によってランダムに選ばれた死亡予定者であると告げると母親が動揺する。母親は、公務員の説明を聞き、苦しみながらも息子の死を受け入れる。この家の息子は、公務員の告知24時間後に事前に体内に埋め込まれたカプセルが破裂して死亡する。


 『生活維持省』は、累計240万部を売り上げている星新一の代表作『ボッコちゃん』(新潮社文庫)に収録されているが、小学館側は作者・担当編集者ともこれを「読んだことはない」として剽窃の疑いを真っ向否定するコメントを発表。

 マリナ氏は「私の主張していることを多くの方に正しく理解していただくため」として、サイト上に『生活維持省』の全文を掲載。「判断はそれぞれの読者のみなさまにおまかせしたい」とし、これ以上の抗議をしないことを表明した。

 ネット上ではこの騒動に対し「確かに似ている」「まったく同じじゃないか!」といった指摘が相次いでいる他、「小学館の編集者が『ボッコちゃん』を読んでないというのはちょっと......」といった意見も。

 なお、マリナ氏は、この抗議が今月27日に迫った映画『イキガミ』の公開を妨害するものではないことを強調している。

 生涯に1000篇以上の短編を著し、「ショートショートの神様」と呼ばれた星新一。いまだにファンは多く、今回の剽窃騒動は波紋を呼びそうだ。


ボッコちゃん (新潮文庫)


星新一は決して古くなりません。


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2008.09.19 金  



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