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「モラハラのトリセツ」第12回

元モラハラ加害者の僕が、再びモラハラ問題を起こした話(後編)

文=中村カズノリ(なかむら・かずのり)

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※前編はこちらから

「モラハラは誰にでも起こり得る」

 それは僕も例外ではありません。普段、DVやモラハラに関するカウンセリングを提供している身であっても、です。

 前編では、僕が半年ほど前に起こしてしまったモラハラ騒動についてお伝えしました。

 ここからは、どのようにして問題の根っこにたどり着いたかという話です。といっても、実のところは棚からぼたもち、ひょうたんから駒、偶然の要素がかなり大きかったというのが素直な感想です。

 妻の私物をゴミ箱に捨ててしまった原因について、どうにも明確に言語化できないまま結婚記念日を迎え、かねてより予約していたお店へ、家族でランチに出かけました。

 そこは、問題が起きる1~2週間前に、とある異業種交流会で知り合った方のお店でした。出てきた料理はとてもおいしく、妻も僕も大満足し、ほんの少しだけ歩み寄りができる雰囲気が作られ始めたように思います。

 少し心のかせが外れかけた僕は、「まず妻に謝ろう。まだ自分が抱えたものや状況についてうまく言語化しきる自信はないけれど、今のしんどいコミュニケーションをやめたい」。そう思いました。あとはきっかけをどう作るかが悩みでしたが、その日の晩、妻から「お酒に付き合ってくれない?」と誘われました。

 2人が大好きな日本酒を静かに飲みながら過ごす時間で、僕はここ数日の出来事について、妻にまず謝罪をしました。「ここ最近、ずっといろいろ、ごめんね」と、素直な気持ちを簡素に伝えました。

 妻は「まあ、しんどかったよ」と返しました。続けて「ゴミ箱のモノは回収して自分の部屋にしまっといたんだけど、すごく腹が立った。それで、ちょうど台所にあった丼を床に叩きつけてやろう……なんて思ったんだけどさ、そこで『あ、なんだか(あなたは)しんどかったんだな』と、ふと思いついて……それで落ち着いた。『夫の問題だから、私は悪くないや。ほっとこう』って思えたんだよね」とのことでした。

 それを聞いて、僕は驚きとともに、少し安心しました。DVやモラハラの被害者の多くは「加害者を怒らせる自分が悪い」と考えてしまいがちです。僕と妻、それぞれの問題の境界線が引けていることは、いま思うと問題が大きくならなかった要因のひとつであったのかもしれません。

 さらに妻は「この間、異業種交流会に行ってきてから、ちょっと様子が変だったよね」と続けます。

 この言葉を聞いて、僕の中でいろいろなことがつながりました。今回の問題における根っこの部分が見えてきた瞬間です。

 問題が起きる1週間ほど前、僕は「著名な成功者も参加する異業種交流会」に参加する機会がありました。参加者の目的は「事業についてのアドバイスが欲しい」「いろんな人とつながりたい」「ただ話してみたい」等さまざまで、僕の場合は「社会活動についての知見を求めたい」というものでした。

 僕は「DV」や「モラハラ」その他家族問題等のカウンセリングをはじめとした支援活動を、もっと世に広めたいと常々考えていました。ですが、個人にできることはすぐに限界がきます。ここは自分の知らない世界に飛び込んで、いろんな知識や価値観、ノウハウを吸収したい……と考えるようになりました。

 交流会では、さまざまなアドバイスをもらいました。こんな方法もある、あんな方法もある……と、そこまではよかったのですが、次第に「なんでやんないの?」「すぐやりなさいよ」「考える前に、とにかくやるんだよ。時間がもったいない」という言葉が投げかけられ、僕は「今、それができていない」と、責められたと感じてしまいました。

 このやりとりで、僕は「できていない自分が悔しい」という感情を持ちました。その一方で、心の片隅には違和感を覚えていました。その時、違和感を無視してしまったのが大きな失敗だったと思っています。

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