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1万人が怒りの声を上げた『ベルク』立ち退き騒動とは?



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撤退勧告と戦うベルク。写真は迫川副店長
 たった15坪の小さなビア&カフェが、大きな反響を呼んでいる。新宿の名物店として知られる『ベルク』が、家主であるルミネから立ち退きを求められているからだ。


 発端は、06年4月にベルクが入店している駅ビル「マイシティ」の家主だった新宿ステーションビルディングが、同じJRグループのルミネに吸収合併されたこと。名称も「ルミネエスト」へと変更したのに伴い、各フロアで店舗のリニューアルなどが進められてきたが、そんなルミネからベルク副店長の迫川尚子さんが呼び出しを受けたのは07年2月。そこでの話の内容は、「契約を新たに結び直したい」というものだった。

「ただ、この新しい契約が"くせもの"なのです」(迫川さん)

 ルミネ側が提示した新しい契約とは、一定の契約期間が満了すれば貸主がテナントを自由に入れ替えられる「定期借家契約」と呼ばれるもの。それまでの賃貸借契約では、特別な事由がない限り、貸主が契約更新を拒否することはできなかったが、不動産、とりわけショッピングセンター業界の強い希望に応えるかたちで00年に行われた借家借地法の改正により可能になった契約形式だ。まだ一般にはあまり周知されておらず、実際、それを知らずに定期借家契約に結び直した結果、契約の更新はもちろん、再契約できずに、泣く泣くビルから出て行った店もあるという。事前にそうした話を耳にしていたベルクが、ルミネ側から求められた契約の変更を拒否し続けたところ、立ち退きを求められた──というのがコトの経緯だ。

「私たちには新しい契約を拒否する権利がありますし、法的にも出て行く必要はないはずです。それでもやっぱり、個別に密室に呼び出された中でサインを拒むのは勇気がいりました。退店を迫られたことを公表するまでも3カ月間悩みましたが、こうした定期借家契約を迫るやり方に警鐘を鳴らす意味も込めて、声を上げることにしました」(迫川さん)

 07年11月、店内で配布していた「ベルク通信」とホームページ上で窮状を訴えると、客の反応は早かった。すぐさまファンによる応援サイト「LOVE! BERG!」が立ち上げられ、営業継続を求める署名は半年で1万人超集まった。

「今回の件が起こる前までは寡黙にコーヒーを飲んでいた常連のお客さんが、ある日、レジで『(ルミネ側の対応は)許せない。頑張って』と励ましてくれたり、素敵な経験をさせてもらっています」(迫川さん)

 こうした客の声をルミネはどのように受け止めているのか。取材を申し込むと、「契約にかかわることなのでお答えできない」(同社広報)との返答。だが、その一方で、ベルク側には、契約が切れる来年3月までに退店するようにとの文書を9月末日付けで送付していた。そして文書には、「退店しなければ、賃貸料を大幅に値上げする」との一文も付記されているという。既に届けられた先の1万人分の署名は無視された格好だが、迫川さんは、年内中にもう一度、新たに集まった署名を提出する予定だと話す。店長も、裁判に訴えずに、あくまでルミネ側の理解を求めていく意向とのことだが、強硬姿勢を貫くルミネにその思いは伝わるのか。成り行きを注視したい。
(編集部)


「ベルク」ホームページ
http://www.berg.jp/
「ベルクの営業継続を求める嘆願署名」のページ
http://www.berg.jp/syomei/syomei2.htm


新宿駅最後の小さなお店ベルク 個人店が生き残るには?


店長さんの魂がこもった本。


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