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絆會幹部の不敵な表情は何を物語る? 六代目山口組と絆會が特定抗争指定暴力団へ

事件前に撮影されていた金澤容疑者。

 兵庫県警へと身柄を移送される際の絆會の若頭・金澤成樹容疑者の表情からは、悲観さや絶望感といった色を読み取ることはできなかった。

 2020年に殺人未遂事件を起こし、その逃走中に懸賞金がかけられる中、2件の射殺事件に関与している疑いがある金澤容疑者。いずれもの事件も抗争相手とされる六代目山口組系組織の関係者が被害に遭っているが、もし全件で起訴され、有罪判決が下れば、極刑となってもおかしくはない状況にもかかわらず、同容疑者の顔には不敵ともいえる笑みが一瞬浮かんでいたのだった。そんな金澤容疑者を知る関係者はこのように話す。

 「意外だったのは、金澤容疑者が当局の取り調べに対して、一部の事件について供述しているということ。誰しもが金澤容疑者は、最後まで完全黙秘を貫くのではないかと予想されていた。ヤクザとして、それだけ評価が高かった。もしかすると、絆會の織田絆誠会長に累が及ばないようにと考えたのかもしれない」

 金澤容疑者といえば、織田会長の側近といわれた主要幹部たちが絆會を去っていく中、自身が不自由な身になった今もなお、会長に対する忠誠心を示し続けるといわれる、会長の腹心中の腹心だ。それゆえ、織田会長に向きかねない捜査のメスを自分に向けさせ、食い止めるために一部を自供しているということなのか。

 「昨年4月に神戸市長田区で起きた、三代目弘道会系組長の射殺事件で、兵庫県警が金澤容疑者ら絆會幹部らの逮捕の方針を固めた際、同県警は殺人に関与している可能性があるとして、トップである織田会長まで組織犯罪処罰法違反で身柄を拘束するのではないかと考えられていました。しかし、県警は現時点でも織田会長を逮捕していない。もしかすると、逮捕した金澤容疑者を始めとした幹部らから、織田会長の名前が出るのではないかと考えたかもしれません。つまりは、そこから織田会長を逮捕しても遅くはないと考えた可能性もあります。それに対して、金澤容疑者が自らの主体的犯行と認めることで、トップにまで捜査の手が伸びないように一部自供したとしても、おかしくはないのではないでしょうか」(実話誌記者)

 一方で業界関係者は、自らの経験談からこのように考察する。

 「組織のために身体を賭ける、つまり、自らが実行犯になり長い歳月を罪に服するということは、人生を犠牲にするということ。それゆえ、身体を賭けた側には、さまざまな変化が出てくる。例えば、組織側と約束していたことが反故にされるとか。それは時として、憎悪へと変貌することだって珍しいことではない。今後、なにかをきっかけに金澤容疑者に心変わりがあったとしてもおかしくはないのではないか」

 そうした中、金澤容疑者が関与した疑いがある事件などが端を発して、六代目山口組と絆會が特定抗争指定暴力団に指定されることになった。これにより、組事務所の使用が禁止されるなど、組織的活動に厳しい制限がかけられることになる。一方の六代目山口組は、神戸山口組と抗争を受け、すでに2020年に特定抗争指定暴力団に指定を受けているが、その後も組織を衰退させることなく、勢力を保ち続けている。対する絆會はそうした組織力を維持していけるのかと、業界関係者の間では囁かれているようだ。

  「こうなると何のために起きた山口組の分裂だったのか。今となっては、神戸山口組の結成は業界の規律を乱し、末端の組員までもが苦しい状況に巻き込むという結果を招いただけにすぎなかった」(山口組系元組員)

 山口組の分裂問題は、今夏で9年を迎える。

(文=山口組問題特別取材班)

ヤクザ業界をフィールドとする作家、ライターおよび編集者による取材チーム。2015年の山口組分裂騒動以降、同問題の長期的に取材してきた。共著に『相剋 山口組分裂・激動の365日』(サイゾー)がある。

やまぐちぐみもんだいとくべつしゅざいはん

最終更新:2024/06/20 14:42
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