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4兆7000億円の巨大市場にあるラブホテル経営とその仕組み

rabuho01.jpg もう、すでに聞き飽きたと思われる”金融恐慌”の四文字。世の中すべての投資が冷え込んでいる……と思われる中、一部の個人投資家の間で、ニッチな金融商品が注目を集めているという。それは、繁華街の片隅で、または高速道路のIC付近で経営されているラブホテルを投資対象とした商品だが、はたしてその魅力とは──。

 かつては連れ込み宿などと呼ばれ、日陰のイメージで語られることの多かったラブホテル。近年ではシティホテル並みの外観を持ち、充実したサービスを打ち出すラブホテルも増え、大手出版社の情報誌では特集も組まれるなど、デートスポットのひとつとして定着している。そうした中、ラブホテルを投資対象とするファンドまで登場。イニシア・スター証券では、昨年11月、個人投資家向けに3年満期の「レジャーホテルファンド」を設定した。

「まずは誰もがイメージできる、身近な投資対象という点が大きいですね。金融商品においては、複雑な仕組みのよくわからないものに投資してしまい、その結果、よくわからないままに多額の損失を出してしまうというケースが聞こえてきますが、このファンドの投資対象であるレジャーホテルは、知らない方もいないのではないかと思われるぐらい身近な存在です。また、弊社では無料セミナーも開催しておりますので、仕組みを知ることもできます」(イニシア・スター証券担当者)

 もちろん投資対象である以上、利回りがどの程度期待できるかも重要な要素だ。世界的な金融不況が続く中、はたしてラブホテルは有望な投資先といっていいのだろうか?

「不景気でも、多くのカップルはレジャーホテルを利用します。需要がそれほど低下しない、つまり景気の影響を受けにくいのも強みですね。また、シティホテルに比べて経営効率が良いのも特筆すべき点です。この業界には投資利回り【※】が12%を超える物件が数多くあり、当ファンドではその条件を満たした物件だけに投資を行います」(同)

 シティホテルの投資利回りは、一般に5~6%程度といわれる。なぜラブホテルが、シティホテルに比べて高い投資利回りを実現できるのだろうか。『ラブホテル進化論』(文春新書)の著者である金益見さんは、両者のビジネスモデルの違いをこう解説する。

「ラブホテルとシティホテルでは、お客さんの回転率がまったく違います。最近はシティホテルもデイサービスを取り入れているところが多くなりましたが、需要はそこまで高くない。シティホテルではどうがんばっても1日2回転が限界ですが、儲かっているラブホテルでは4回転するところもあります」(金さん)

※物件の投資利回りは、当該ファンドの実際の配当利回りとは異なり、配当は保証されておりません。

●巨大な市場規模と競争にさらされる経営

 エコノミストの門倉貴史の著書『世界の下半身経済が儲かる理由』(アスペクト)によると、ラブホテル業界の市場規模は約4.7兆円。これは出版業界のおよそ1.7倍にも達する巨大業界であるが、先のイニシア・スター証券の担当者によると、同業界特有の「新規参入の難しさ=競争の少なさ」もラブホテル経営の強みであるという。

rabuho02.jpg「レジャーホテルは各市区町村の条例等の制約によって、建築場所が限られています。そのほか、旅館業法による許可の申請などもあり、誰でも簡単に営業を行うことができるわけではありません。また業界特有の閉鎖的な商慣行ゆえに、広告面などで独特の営業ノウハウが必要であり、新規参入を難しくしています」(前出・担当者)

 もっとも、金さんによると、現在のラブホテル業界は”サービス競争”の時代に入っているそうだ。

「かつてのラブホテルは何もしなくても儲かる、経営者にとっては楽な事業でしたが、現在は企業努力を怠ると客が入らなくなる時代になりました。逆にいうと、これまで企業努力をしてこなかったところが多いので、内装やサービスを改善することで、すごく良くなるんです」(金さん)

 近年、人気を集めているラブホテルには共通の特徴がある。化粧品や入浴グッズなどのアメニティが充実していることだ。

「私の取材経験上、90%近くのカップルで女性が部屋を選んでいます。そこで無料でもらえるアメニティグッズは、女性が大好きな”お得感”を演出する上で、重要なアイテムといえます」(金さん)

 こうした点には、投資ファンドの運営者も注目しているようだ。先の「レジャーホテルファンド」では、ラブホテル業界のトレンドを知り尽くした、その道20年の”プロ業者”に運営を委託。長年の経験を活かし、高い経営効率の実現をめざしている。

「レジャーホテルの経営においては、シティ型と郊外型に分けて考える必要があります。東京では、山手線沿線の渋谷、鶯谷などがホテルの集積地であり、そこではエリア内のブランド確立が重要。訪れる利用者のニーズにあった内装やサービスが求められるのです。一方、郊外地区においてはクルマで通りかかるお客様がほとんどであり、幹線道路やインターの付近で、目立つ看板を用意できるかどうかがカギとなる。こうした地域性を踏まえたホテル運営には、業界を知り尽くしたプロの目利きが不可欠なのです」(前出・担当者)

 昨年11月に募集が始まったレジャーホテルファンド1号では、投資家の25%が女性だったという。

「投資のプロというよりも、手軽な金融商品のひとつとして同ファンドに投資した方が多いようです」(同)

 もちろん、金融商品には一定のリスクがともなう。たとえば、不動産市況が悪化した場合、投資対象の不動産価値が予測を超えて下落する可能性もある。元本保証型の金融商品ではないことにも注意が必要だ。これらをしっかりと理解した上であれば、身近な投資物件としてラブホテルに注目するのもいいかもしれない。
(取材・文=神谷弘一[blue print]/「サイゾー」3月号より)

取材協力/問い合わせ…イニシア・スター証券
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ラブホテル進化論

現役女子大学院生による本格研究。

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最終更新:2009/02/19 15:00
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