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【退屈巡礼】vol.13

トラウマ必至の地獄絵図『伊豆極楽苑』がヤバすぎる!

tokyokaseryo.jpg「極楽苑」と言いつつ、ご案内は鬼。これは入る前から怪しい
雰囲気がプンプンと漂っています。超期待!

この退屈なご時世に、退屈しのぎに退屈な場所に行ってみるシリーズ【退屈巡礼】。第13回は、『伊豆極楽苑』をご案内。「極楽」という言葉に誘われて足を踏み入れたら最期、強烈なトラウマを残すことに……!?園内の様子はこちらから

 極楽……右も左も暗~い話題ばかりのこのご時世には、なんともステキな響きですね。しかし、得てして「甘い言葉」には落とし穴があるもの。あの円天事件のときも、騙されてたオバちゃんたちが「極楽」とか「天国」とか連発していたような……。そんなことを思いながら伊豆方面をドライブしていたら、まさにそのものズバリな感じの「伊豆極楽苑」なる看板を発見! これはもう、どれぐらい極楽なのか(あるいはそうじゃないのか)確かめに行くしかないでしょう。

 さて到着してみると、そこには満面の笑みをたたえた鬼が立っています。そして建物の壁面には、やはり笑顔の閻魔大王……って、「極楽苑」なのに今のところ地獄の住人しかいないんですけど! これではまるで、最初はニコニコ顔で親切な悪徳業者と同じでは……?

 まぁ、若干の不安はあるものの、どうやらいわゆる「地獄巡り」のようだと理解したので館内へ。すると、やっぱり満面の笑みのご主人がものすごく丁重にご案内いただき、畳の間でおそらく奥様と思われる方の、これまた丁寧な説明がスタート。しかし、「地獄の裁判は49日と、たいへんなスピード裁判でございます~」などという感じの軽妙な語り口とは裏腹に、死後の世界の仕組み、そしていかにウソや浮気が悪いかとかみ砕くように解説されているうちに「それじゃほとんどの人は地獄行きじゃん!」と、どんより気分が高まってまいりました。そしてついに「では~、ここから先は~、地獄の様子をあなた自身でご体験ください~」と、なぜかバスガイド的な口調で奥へと送り込まれてしまいました。今、はっきりと「地獄」って言いましたよね? やっぱりあんまり「極楽」ではないようです。

 さてその「地獄の様子」ですが、ここまでの親切&フレンドリーな雰囲気から一転、まったくシャレにならないハードコアな地獄っぷり! 「家族皆で作りました」とも書いてあったし、てっきりもう少しユーモラスな表現なのかと思ったら、夜中に髪が伸びそうな人形が並んだ賽の河原(あまりの怖さからか、なぜか賽銭が投げ入れられていました)に始まり、閻魔大王の裁判、あとはもう釜ゆでから賽の目切りにされる人まで、拷問シーンのオンパレード! 見たくないものだけが不気味な照明と陰気な音楽と共に延々と続きます。これをさっきの親切なご主人たちが作っているのかと思うと、あまりのギャップに頭がクラクラしそうです。特に「たべものは糞と尿」のくだりはトラウマ必至。これを見たら、絶対に食べ物を粗末にしようとは思わなくなるでしょう。最後にえらくギャルっぽい鬼に「あなたは今後地獄に縁がありません」と気休めみたいなことを言われますが、何のフォローにもなってません。地獄マジヤバイ!

 そして最後に極楽浄土のコーナーが待っていましたが、こちらは地獄と比べてずいぶんあっさりした造り。よくおみやげ品なんかにある金ピカの五重塔みたいのが並んだジオラマで、地獄の方の執念がこもったのとはずいぶんな落差です。しかも「温度ハワイと同じ 家賃、敷金、礼金ナシ」と妙に俗っぽい極楽で、脱力すること間違いなし。さらに外に出ると、なんと秘宝館も併設されているのでした。えぇっ!? たった今「不邪淫の誓い」とかしたばかりなのに……それとも、極楽ってのはエロのことなんですかね、やっぱり?

tokyokaseryo.jpg中はもう、フレンドリーな雰囲気ゼロ。あまりの恐ろしさからか、
ワケもわからず賽銭を供えるお客さんも多いようです。

tokyokaseryo.jpg
tokyokaseryo.jpg「嘘をついてもビデオテープを見せられてすぐばれる」らしい
閻魔大王の裁判。49日どころか、5分ぐらいで判決が出そうです。

tokyokaseryo.jpgオリジナリティあふれるデザインの鬼も多数。たしかに手作り感はあるんだけど、
それがかえって恐怖を倍増させているような。

tokyokaseryo.jpg食べ物を粗末にした人が堕ちる「たべものは糞と尿」という地獄。
これはイヤすぎる……。

tokyokaseryo.jpg最後にギャル風の鬼がお見送り。これぐらいの気休めでは、とても
回復できないほどの精神的ダメージが残る人も少なくないと思いますが。

tokyokaseryo.jpg極楽は地獄に比べてずいぶんあっさり終了。やっぱり地獄がほとんどの「地獄極楽めぐり」でした。
それにしても「温度ハワイと同じ 家賃、敷金、礼金ナシ」って、ずいぶん俗っぽい極楽ですね……。

●ご利用の心得

・家族経営だからってナメちゃダメ! 本格的すぎる地獄はトラウマもの。
・親切さと内容のドロドロ具合のギャップを思い切り楽しみましょう。
・奥さんの流暢な地獄ガイドも必聴。にこやかに地獄へ案内される魅惑の体験を皆様もぜひ。

●あまり親切でないご利用案内

■開館時間 午前10時から午後4時
■休館日 木曜日に臨時休業あり
■入館料 おとな900円(秘宝館と共通、秘宝館は18歳未満入場不可)こども400円
■所在地 静岡県伊豆市下船原370-1
■アクセス 伊豆箱根鉄道・修善寺より東海バスで約20分、宝蔵院前下車。車の場合は東名高速・沼津ICから湯ヶ島方面へ約40分程度。国道1号経由国道136号「出口」交差点から土肥方面にすぐ。
■HP http://www2.wbs.ne.jp/~izutsubo/shop/izugokurakuen.htm
(取材・文/大黒秀一)

●連載「退屈巡礼」INDEX
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こんな映画にもチラと登場しております。

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最終更新:2009/04/07 01:03
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