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【退屈巡礼】vol.22

タッチOKの巨大黄金とイケメンたちがお出迎えする『土肥金山』

vol22-04.jpgなぜか現代風のイケメンたちがせっせと汗を流しています。

この退屈なご時世に、退屈しのぎに退屈そうな場所に行ってみるシリーズ【退屈巡礼】。第22回は、伊豆にあるトレジャースポット「土肥金山」をたずねてみました。金山の様子はこちらから

 季節は夏真っ盛り!……ですけど、相変わらずテンションの上がるような景気のいい話ってサッパリ聞きませんね。しかしまぁ、どんより気分で過ごす夏というのは精神衛生上とても悪そうなので、今回はパーッと景気のいいものを拝みに参ってきました。行き先は、西伊豆にあります「土肥金山」。ここにはなんと、世界最大250kgの大金塊(時価だいたい7億円!)が鎮座しているのです。しかもおさわりOK! 気の済むまでタッチしていいということで、なんとなく金運もアップしそうな気がしないでもありません。

 まずは金鉱の見学からスタート。もともとはこの土肥金山、観光用に作られたのではなく、かつては実際に採掘されていた金鉱。なので臨場感はバツグンです。まぁ、本来はものすごい重労働のはずの採掘が、なぜか展示のマネキンが無駄にイケメン揃いのため、えらく優雅に見えるのはご愛嬌です(別にここは労働のたいへんさを知る所ではなく、あくまで黄金の夢を見に来る所なのでこれでいいのです!)。さらに途中にはリラックスしすぎのおっさんや、温泉に入浴中の美女のマネキンなんかもあったりして、どう見ても楽しそうです。おそらく、実際は想像を絶する過酷さで、こんなに楽しいわけないと思いますが……。

 そしていよいよお目当ての金塊のある「黄金館」へ。もちろん金塊以外にも、金に関する様々なトリビアやら工芸品やらの展示もあるのですが、ほとんどのお客さんは金塊にまっしぐら。250kgもの巨大金塊の前にはどんな人でも理性が壊れちゃうようで、近くにいた純粋そうな子供でさえ「ぼく、これひとりじめしたい!」とかとんでもないことを口走っていてビックリ。ましてや一部のオバチャン連中のさわり方ときたら、異常にテンションが上がって怖いぐらい。周りの人を突き飛ばしてでも触ろうかという勢いです。金塊もいいですけど、人を見てるのも愉悦かも(某ギャンブル漫画風にっ……!)。

 さて、いい感じで夢見心地になったところで、見学コースの最後は実際の砂金採りが体験できるコーナー。ここだけ別料金なのですが、一攫千金気分が高まっているところに「採れた砂金はお持ち帰りOK」と言われると、ほとんどの見学者が参加してしまいます。……ところがコレ、やってみるとものすごい地道な作業。いくらがんばったって砂金数粒しか発見できず、どう考えても参加料30分600円よりも儲けるのはムリ! でも、ほとんどの参加者のみなさんは完全に目がマジで、中には退屈して水遊びを始めた子供に向かって「もっとちゃんと探しなさい!」と叱りつける人も……やっぱり黄金の光は何か人をおかしくさせる魔力があるのでしょうか?

 というわけで、最後の最後で急に現実のシビアさを体験してしまいましたが、とりあえず大金塊の威光は皆さんもぜひご体験を。ちょっとぐらいの不運だったら吹っ飛びそうですよ。たぶん。

vol22-01.jpg土肥金山入場口。全体的に江戸時代のテイストを残した作り。
vol22-02.jpg見学コースの坑道はかつて実際に使われたいたものなので、雰囲気たっぷり。
vol22-03.jpg金を掘る人の様子をマネキンや機械仕掛けの人形で紹介。あまり悲惨さ
は全面に出さず、美男美女が優雅に作業してるのがここの特徴。
vol22-05.jpgリラックスしすぎのおっちゃん。
vol22-06.jpgこんな光景、本当にあったんでしょうか……?
いくらなんでもドリームすぎる気がするんですが(笑)
vol22-07.jpg
これが大金塊。ギネスにも認定されている世界最大の金塊。
写真ではなかなか伝わりませんが、実物を目の前にするとなぜか興奮します。
黄金ヤバイ。
vol22-08.jpgこちらは通常サイズの金の延べ棒。金塊と比べると迫力には欠けますが、
これだけで時価1500万はしようかというモノ。
腕の細い人ならなんとなく穴から出せそう……って、試しちゃダメですよ!
vol22-09.jpg砂金獲り体験に挑戦するみなさま。一種のアトラクションみたいなもののハズ
ですが、ほぼ全員マジ。昔はこれで人生狂っちゃう人がいたのも分かる気がします。
vol22-10.jpg池にある黄金像。バッドテイストすぎて、これはもう笑うしか……
いや、ある意味カッコいい!……のか?

●ご利用の心得
・とりあえず、むずかしいことは考えないで黄金に魅了された方が吉。
・ただ、あまりに熱くなりすぎないように気をつけましょう。
・チープさ全開のおみやげコーナーも必見。シャレのわかる人には宝の山かも?

●あまり親切でないご利用案内

■営業時間 午前9時から午後4時30分(砂金獲り体験は午後4時20分まで)
■休業日 無休(12月に臨時休業あり)
■入場料 大人840円 小人420円
■所在地 静岡県伊豆市土肥2726
■アクセス 伊豆箱根鉄道駿豆線修善寺駅から東海バス松崎行きで約50分、土肥金山下車すぐ。車の場合は、東名高速・沼津I.Cから土肥方面に約80分。
■HP <http://www.toikinzan.com/>
(取材・文/大黒秀一)

金の延棒ライター

あれ? 軽い……

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●連載「退屈巡礼」INDEX
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最終更新:2014/06/19 13:14
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