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“最強の男”の過去がついに明かされる!『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』

wolverine_0706.jpgX-Men Character Likenesses TM & (c) 2009 Marvel Characters, Inc. All rights reserved.
TM and (c) 2009 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved

『天使と悪魔』『スター・トレック』『ターミネーター4』『トランスフォーマー/リベンジ』など、大作が続々と公開された全米サマーシーズンは終わり、ほぼ日本でも同時に公開されたこれらの作品はすでに過去のものに。早いものでは、そろそろDVD化の情報も出てくるころだ。映画界はこれから、ラブストーリーや人間ドラマのようなしっとりした作品が増える秋興行へと移行していくが、そんな中、今年の全米サマーシーズンの口火を切って公開された大作が、最後に日本上陸。人気アクションシリーズ『X-MEN』の最新作『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』だ。

 タイトルに「ZERO」とあるように、これまでのシリーズ3部作の前章となる物語。突然変異で生まれた特殊能力を持つミュータントたちが戦う姿を描く『X-MEN』シリーズには、数々の人気キャラクターが存在するが、映画版の前3作で主人公として描かれたウルヴァリンの誕生の秘密を描くのが本作。ウルヴァリンは、地球上のあらゆる金属よりも固い超金属アダマンチウムの爪と、驚異的な回復力、不老不死の肉体を武器に戦う男だ。

 シリーズ1作目の『X-MEN』で、ウルヴァリンは記憶を失った男として登場した。人間を滅ぼそうとする悪のミュータントとの戦いに巻き込まれていき、シリーズ2作目『X-MEN2』では、謎に包まれていた過去の一部が垣間見えた部分もあった。そして3作目の『X-MEN:ファイナル・ディシジョン』で、ひとまずシリーズは完結した。

 そして登場したのが本作。まずは、まだウルヴァリンと名乗る前の彼、ローガンが、ミュータントとして目覚め、それゆえに人間社会からはじきだされ、同じく不老不死のミュータントとして生まれた兄ビクターとともに、傭兵として150年間、さまざまな戦場で生き抜いてきた。そして、次第に戦うことにのみとらわれていった兄と袂を分かち、世間から隠れて暮らしていたローガンは、愛する女性ケイラと出会う。しかし、ローガンを追ってきたビクターの手にかかってケイラは殺されてしまい、時を同じくして、ミュータントを集めて最強の軍隊を作ろうと企む軍人ストライカーにスカウトされたローガンは、復讐のためにより強い力を欲し、ストライカーの人体実験を受け入れ、アダマンチウムを体に移植。こうして”最強の男”ウルヴァリンが誕生するのだが……。

 過去3作では、さまざまな能力を持ったミュータントが入り乱れ、シリーズを追うごとにアクションはVFXを駆使したド派手なものに膨れ上がっていったが、本作では、あくまで”肉体”が武器のウルヴァリンが主人公なだけに、アクションシーンもリアル志向。ワイヤーやCGの使用は極力排され、ガチンコの肉弾戦が繰り広げられる。ウルヴァリンを演じるヒュー・ジャックマンの、静脈が浮き出た筋肉と引き締まった肉体には、男女問わず惚れぼれするはず。

 ウルヴァリンという名前や、彼が愛用するライダージャケットの由来、はたまた前3作に登場したキャラクターたちの若かりし姿もチラリとだが映し出されていたり、シリーズのファンにはうれしい仕掛けもたくさんあるのだが、『スター・ウォーズ』を新3部作からと同じように、本作は「始まり」の物語だから、ここからシリーズを見始めても問題ない。

 そして、この『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』は、すでに続編製作も決定。2011年公開を目処に準備が進められているが、その舞台は日本だ。原作コミックでウルヴァリンが日本にやってくるエピソードがあるが、主演兼プロデューサーのジャックマンが、その日本編を気に入っており、9月3日のジャパンプレミアで来日した際も、「次回作は日本になるし、撮影も日本でやると思う」と発言した。これまでもいくつか日本を舞台にしたハリウッド映画はあるが、『X-MEN』クラスのアクション超大作が日本を舞台に実現すれば、大きな話題となるはず。その続編に備える意味でも、本作はぜひチェックしておきたい。
(文=eiga.com編集部・浅香義明)

『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』
<http://eiga.com/movie/53236/>

『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』特集
<http://eiga.com/movie/53236/special>

『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』映画評
<http://eiga.com/movie/53236/critic>

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最終更新:2009/09/11 11:00
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