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日本文化ってどんな文化? スケッチブック片手に350人の外国人に突撃インタビュー『外国人から見たニッポン』

gaikoujin.jpg『外国人から見たニッポン』
ディスカバー21

 街に外国人が歩いている姿が日常的になったのは、いつ頃からだったろうか? 現在、日本には多くの外国人が滞在し、生活している。2008年、日本に入国した外国人は約915万人、日本に正式に在留している外国人登録者の数は221万7,426人と、20年前と比べ、登録者数はおよそ2倍、入国者数は3倍以上となっている。

 この本『外国人から見たニッポン』は、アメリカに留学経験のある著者・岸周吾氏が、街頭で外国人にインタビューし、日本文化や日本人についてどう思うか、スケッチブックにひと言で書いてもらう、といった主旨の本だ。岸氏が街頭で出会った人の数は350人超、そのうち95人の声・意見、64人の写真を掲載している。ポップで明るい色使いのデザインが見やすい。

「WWII is over.」(第二次世界大戦はもう終わった)
「Nihon-the culture of the bento box!」(日本=弁当箱文化)
「I hope Japanese people learn to trust the opinion of outsiders.」(日本人には、”よそ者”の意見も信用するってことを学んでほしい)

 意見の多くが肯定的だが、我々には耳の痛くなるような意見もしばしば。総合すると、「安全で、清潔で、礼儀正しく、親切だが、皆、自信が無くて、付和雷同する、よそ者を受け容れない国民性」だと、多くの外国人が感じているようだ。

 ぼくらは日本に生まれ、日本に育っているから、日本という国を外側から見ることは出来ない。「日本人の心って何?」「日本人の誇りって何?」と問われても、いまいちピンとこないだろう。しかし、多くの外国人は、日本という国をユニークで、独創的な、美しい国だと見ていることがわかる。ぼくらネイティブからすると不思議な感覚だ。

 世界各地の色んな国から訪れた人の視点はそれぞれ異なり、中には「ブシドー」なんてピント外れの意見もある。しかし、ここで語られているのは意見の是非ではない。「外国の人って、どんなことを考えているの?」この本はそんな興味を刺激し、違いを知る手がかりとなってくれることだろう。
(文=平野遼)

岸周吾(きし・しゅうご)
1984(昭和59)年生まれ。岐阜県出身。関西大学社会学部社会学科産業心理学専攻卒業。大学卒業後、アメリカ・サンディエゴに語学留学。約8カ月間、15カ国以上の外国人と共同生活を送る。現在、本書を用いて日本文化を考えるための場を提供できないか、計画している。

外国人から見たニッポン

日本の空気はしょうゆの香りがするそうです。

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最終更新:2009/10/10 18:00
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