
三木聡監督の新作は“違和感を楽しむファンタジー” あの『大怪獣』についても語る
映画 大怪獣のあとしまつ コンビニエンス・ストーリー 三木聡

ゆる~いギャグの連打についつい気を許してしまうと、いつしか奇妙な異世界の沼にどっぷりハマってしまうことになる。上野樹里主演作『亀は意外と速く泳ぐ』(05年)、麻生久美子主演作『インスタント沼』(09年)などのコメディ映画で知られる三木聡監督の作品はミニシアター系で公開され、熱烈なファンを生み出してきた。オダギリジョー主演の深夜ドラマ『時効警察』シリーズ(テレビ朝日系)も人気を博した。『音量を上げろタコ!なに歌ってんだか全然わかんねぇんだよ!!』(18年)や『大怪獣のあとしまつ』(22年)が賛否両論の渦を巻き起こしたことも記憶に新しい。
そんな三木監督の新作映画が、2022年8月5日(金)より劇場公開される。成田凌、前田敦子、六角精児をメインキャストに迎えた『コンビニエンス・ストーリー』だ。スランプ中の売れない脚本家が、欲しいものは何でも手に入ってしまう不思議なコンビニに迷い込み、異世界の住人と共同生活を送るというファンタジーものになっている。
英字新聞「ジャパン・タイムス」などで日本映画を評論しているマーク・シリング氏のアイデアをもとに、この新作映画はどのようにして製作されたのか。また、2022年最大の話題作となった『大怪獣のあとしまつ』の反響についても語ってもらった。
――今年2月に全国公開された『大怪獣のあとしまつ』に続いて、早くも『コンビニエンス・ストーリー』が封切りに。SFコメディから雰囲気がガラリと変わり、大人のファンタジーとして楽しませてもらいました。溝口健二監督の『雨月物語』(53年)や鈴木清順監督の『ツィゴイネルワイゼン』(80年)などを彷彿させる作品ですね。
三木聡 『雨月物語』を彷彿させるかどうかは分かりませんが、『ツィゴイネルワイゼン』は僕が20代のときに観て、すごくインパクトを受けた作品です。「映画で、こんな世界を描けるんだ」という衝撃がありました。『夢二』(91年)を撮った後くらいの鈴木清順監督をインタビューしたこともあります。シティボーイズの番組だったんですが、「ああいう映画をどうして撮ったんですか?」と尋ねたところ、「お金がなかったから」だと。清順監督らしいですよね。「お金がないから、4人のドラマにしたんだ。しかも1人は素人(藤田敏八監督)だぞ」と。清順監督はよく銭湯の夢を見ていたそうで、その銭湯の二階になぜかいつもジジイがいたそうなんです。
――よく分からない世界なんだけど、不思議と引き込まれてしまう。
三木 そう。不思議な感じが清順監督の作品にはありましたよね。もし、『コンビニエンス・ストーリー』を観て、清順監督っぽいものを感じたのなら、それは僕の中に清順監督から受けた影響があるということなんでしょうね。(1/8 P2はこちら)
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