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 >   > 「批評のジェノサイズ」著者が語る、サブカルチャーの悪習と御用ライターの罪と罰(後編)
宇野常寛インタビュー

「批評のジェノサイズ」著者が語る、サブカルチャーの悪習と御用ライターの罪と罰(後編)

uno1129.jpg『批評のジェノサイズ』
(著:宇野常寛、更科修一郎/サイゾー刊)

前編中編はこちらから

──テレビドラマはどうでしたか?

宇野 民放では『銭ゲバ』(日本テレビ系)が面白かったですね。『銭ゲバ』は岡田惠和がずっと描いてきた『ちゅらさん』(NHK)的なユートピア、より具体的には高橋留美子的なものを全部自分で根底からひっくり返して、その成立条件を問い直すようなことをやったんだからすごいですよね。ただ、本作では演出のクオリティを上げて、役者も上手いところを揃えて、従来のテレビドラマとは違う映画のような作品を作ろうとしたと思うんですが、だからこそ、たまにテレビドラマっぽいところが出てくると、逆にすごく目に付いてしまう。現在のテレビドラマの立たされた苦境、難しさを考えさせられました。

 NHKでは『リミットー刑事の現場2-』と『つばさ』も良かったですね。『リミット2』では、『ダークナイト』的なテーマを描くことに挑戦している回があり、日本のテレビドラマとしては、極限に近いところまでやっています。NHKのドラマだから、最後は人情的に回収してしまっていてヌルくはなっているんですが、これは隠れた傑作です。

 続いて『つばさ』に関してですが、基本的にNHKの朝ドラって「女の子の自分探し」と「地域振興&老人慰撫」を両立させなきゃいけないんです。しかし、片方は仕事を通じての自己実現を目指し、片方は地元に帰って来いって話なので、下手なスタッフが作ると両立しないんですよ。それでいつも話に整合性がなくなったり、無理やりな動機付けをしたりして、すごく痛い展開になるんですけど、『つばさ』はその両立がうまくできているんですね。自分探しの結果として、「地元を守れ」というところへ行く。しかも、それもオリジナルの伝統を守るというのではなく、自分が選んだ関係性を大切にするという方に回避していて、非常に現代的で良かったですね。

 今年のドラマで最悪だったのは『婚カツ!』(フジテレビ系)。同時期に同じテーマでやっていた『コンカツ・リカツ』(NHK)では、いわゆる”婚活ブーム”ができた現代日本の社会的背景を踏まえていて、しかも主演が桜井幸子、主題歌が「今すぐKiss Me -20th-」と「いろんな意味で」批評的なんです。それに対して、『婚カツ!』には何もない。ブームに乗っただけの、極めて安直な企画でしたね。

──小説はどうでしたか? 人気作家の新作などが話題となりましたが……。

宇野 今年の小説は、村上春樹の『1Q84』(新潮社)以外は売れなかったわけですが、村上春樹はジブリアニメと同じで、作品の出来と関係なく売れる、という事実が前提としてあります。内容に関して言えば、村上春樹の長編作品は『ねじまき鳥クロニクル』(同)以降はデチューンばかりで、『ねじまき鳥』のアイデアをピックアップしてきて薄くしているということを繰り返しているんですね。『海辺のカフカ』(同)もそうだし、『1Q84』はよりその傾向が強くなっている。一言で言えば、ユルくなっていてダメですね。

 あとは磯崎憲一郎の『終の住処』(同)も話題になりましたが、これはよくできていると思います。ただ、売れているのは著者が出演した『王様のブランチ』(TBS系)効果でしょう。三井物産のエリートサラリーマンがどんな純文学小説を書いているのだろうという、作者のキャラクターに対する興味でしか売れていないわけです。川上未映子の『ヘブン』(講談社)も、作者のキャラクターで売れているという点では同じですが、こちらは比較的よく考えられていると思います。要するに、すでに村上春樹と大江健三郎以外の今生きている純文学作家は、歴史に名前が残らないことが分かっているわけですよ。そこで、村上春樹のように優しい文体でエンタテイメント性のあるストーリーのある純文学に転向します、というのが『へヴン』なんです。それは正しい選択だと思いますが、僕の考えではそれはスタートラインであってゴールではない。『へヴン』はそのスタートラインに立ったところで満足しているところがあると感じます。

──それでは最後に今年のサブカルチャー・コンテンツの中でベストを教えてください。

宇野 今年、一番面白かったのは『仮面ライダーディケイド』(テレビ朝日系)です。はっきり言って、ドラマの出来はまったく良くない。というか、そんなものは最初から放棄しているわけですよ。端的に反則番組ですよね。

 今回は、主人公がこれまでの平成ライダーシリーズの歴代ライダー全員に変身できるっていう設定なんですが、これってバンダイが在庫一掃セールしたいっていう、それだけですよ(笑)。しかし、この作品は結果的に、データベース消費的な想像力、ひいては社会の構造というものを変身システムや作品構造によって、極めて批評的な形でえぐり出している。そして、そのことが作品世界を豊穣にして大きなブームにもつながっている。つまり、ひとつの”運動”として優れているわけです。これはやっぱり評価するべきだと思うんですよね。なぜならば、日本のサブカルチャーは、そういう”運動”が盛り上げてきたからです。

 例えば、アニメだったら第一次、第二次、第三次とブームを作って業界を盛り上げてきたのは、それぞれ『宇宙戦艦ヤマト』、『機動戦士ガンダム』、『新世紀エヴァンゲリオン』ですよね。しかし、それらの作品も決して優等生的な「きれいな」作品だったわけじゃなく、『ヤマト』と『ガンダム』は打ち切り、『エヴァ』は放送事故に近い感じで終了しています。作画も演出もいいわけではありません。しかし、映像の中には出てこない膨大な裏設定、例えば架空の兵器体系や架空年表がファンコミュニティで補完されたり、魅力的なキャラクターが二次創作的に消費されたりして、作品が映像本編を超えた「運動」として力を持ったわけです。『ディケイド』もこれに近いと思うんですね。

 その意味では、最終回の抗議騒動も含めて、日本サブカルチャーの中でそれらの作品の正統的な後継者になっているんですよ。昔からの特撮ファンにはライダー同士が戦う展開などのせいで、ものすごく評判悪いんですが、そんなおっさんのノスタルジーははっきり言ってどうでもいいわけで、『ディケイド』が描いている世界の方がよっぽど現代的でリアルでスリリングでした。もちろん、これだけが正解だとは思わないし、むしろ現代の想像力が置かれた困難を体現する露悪的な作品だと思うけれど、批評家としては、この作品を今年のベストに挙げたいですね。
(文=橋富政彦)

批評のジェノサイズ

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