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「本来すべきことができていない」東電OB・蓮池透氏が古巣に呈した苦言

 東日本大震災による原発問題で会社存亡の危機を迎えている東京電力だが、ここぞとばかりにこれまでの”御用メディア”が一斉に東電たたきに走っている。

「東電の広報は毎年、マスコミ対策に多額の費用を使ってきた。一般各紙の担当記者や幹部を原発見学ツアーに招待。地方都市の原発を見学後、その地の高級温泉宿などで接待してきた。だから、これまで原発関係の問題については歯切れが悪い記事しか書けなかった。ところが今回はそれもむなしく、メディア各社から袋だたきに遭っている」(全国紙経済部記者)

 ところが、他紙と足並みをそろえていなかったのが朝日新聞だったという。


「朝日はもともと”反原発”のスタンスで、原発見学ツアーへの参加をことごとく拒否。一貫して原発に厳しい記事を書き続け、今回も厳しくたたきまくっている」(同)

 そんな朝日の4月30日付紙面に興味深い記事が掲載された。

 掲載されたのはオピニオン面「私の視点」で、意見を述べたのは北朝鮮による拉致被害者・蓮池薫さんの兄で元東京電力社員の透さんだった。

「透さんは東京理科大工学部電気工学科卒業後、77年に東京電力に入社。02年に国策会社の日本原燃に出向し同社燃料製造部副部長を務め、核廃棄物再処理プロジェクトを担当。06年に東電の原子燃料サイクル部部長に昇進したが、09年夏に退社した」(全国紙社会部記者)

 透さんは「東京電力よ もはや隠しても仕方ない」と題した記事を掲載。記事によると新潟県柏崎市の実家は東電・柏崎刈羽原発から3キロ圏にあり、教師だった父のすすめで東電に就職したという。

 入社後、最初に赴任地はなんと現在問題となっている福島第一原発で3、4号機の計測制御装置の保守管理を担当。「現場では、原発は完全に安全だと信じ切っていた」と当時を振り返り、78年発生した宮城県沖地震で「自然災害への防御策の重要性を痛感した」というが、「原発から見える海は穏やかで、15メートルの津波など想像もできなかった。我々の想定が甘かったと言わざるを得ない」と指摘。

 東電に対しては「事故発生以来、本来すべきことができていない」、また政府と東電に対しては「何を目指し、何をやっているかが見えてこない」とバッサリ。その一方、マスコミに対しても、自身が深く関わった北朝鮮の拉致被害者問題に絡め「拉致問題でメディアが一斉に北朝鮮バッシングした時を思い出す」とし、「『東電はけしからん』という批判は感情的には理解できるが、非難して留飲を下げるだけでは解決にならない」と呼びかけた。

 自らが勤務した原発での問題にどうやら我慢できずに意見を述べたようだが、今後もOBが続々と古巣批判を始めそうだという。

「東電の根幹に関わるようなトップシークレットを握ったOBは多いだけに、今後、新聞よりもいろいろ書ける週刊誌を中心に続々とヤバイ情報がリークされるだろう。そうすれば、ますます東電は窮地に追い込まれる」(報道番組関係者)

 そうした情報公開が、一刻も早い事故の収束につながることを願いたい。

原発事故はなぜくりかえすのか

東電さん、いいかげんにしてください。

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最終更新:2013/09/13 17:30
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