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殿様商売に”反乱”──読売・朝日が共同通信との契約解除、マスコミ再編へ

 読売新聞と朝日新聞が共同通信との契約を3月で解除する。打ち切るのは海外ニュースと、プロ野球、Jリーグなどのスポーツニュースだ。

 共同通信は地方や海外など自社取材した記事を各メディアに配信するほか、過去のデータ提供などでマスコミの取材力を大きく補ってきたが、昨今の経費削減に迫られた2大新聞社が思いきった改革に出た形だ。

 読売、朝日とも今後は時事通信社の協力を得て新たなニュース配信とデータベースの処理システムを構築するべく動いており、3社で開発費用も分担することになっている。

「つまり、3社が新たに共同通信のライバルとして通信事業に乗り出すということでもあります。この”反乱”に共同通信側は”業務に支障なし”と強気の姿勢を見せていますが、将来は地方各紙も共同から3社の新システムに乗り換える可能性があります」(業界関係者)

 背景には共同通信側の高い配信料が、年々売り上げを落とす新聞各紙の重荷になってきた点がある。

「配信料は非公表で、しかも媒体の発行部数など規模に合わせて価格を算定する理不尽なもの。要するに、共同の言い値をそのまま飲まされてきた」(同)

 ただ、共同通信は高校、大学や社会人などのアマスポーツまで大規模なデータベースを持っており、そこに頼らざるを得なかったのもまた事実だった。

「それでも紙媒体の売り上げは右肩下がり。配信料の値下げ交渉は何度となく行われてきましたが、共同通信はまったく応じなかった」(同)

 こうした軋轢があったからか、現場の記者間でも共同記者に対する嫌悪感が芽生えていたと読売記者が打ち明ける。

「共同通信の記者は、新聞社より格上みたいな意識をチラつかせて生意気ですからね。給与は我々新聞記者と大差ないですが、やたらと残業手当てがつくので結果的に高給だし、何かと経費も使い放題。例えれば一般企業から見た官僚みたいな連中で、同じ現場で取材をしていても、やたら上から目線の記者が多い」

 そもそも共同通信は、加盟新聞社とNHKの約60社が予算を負担する社団法人で一般企業とは性質が違う。エリートが集まる朝刊紙の記者ですら鼻につくというエピソードもある。

「ある地方の事件取材で記者一同が同じうなぎ屋に入ったときのこと。大半の記者が周囲に合わせて1,500円の”並”を頼んだ中で、共同通信の記者だけが”こっちは特上で”と4,000円のものを注文。もちろん領収書を切ってましたから、経費に上限がないんでしょう。雪の中でタクシーが1台しかつかまらなかったとき、共同記者が”うちは速報やって君らに流している”などと言って我々を押しのけたこともあった。昨年10月、共同記者が小沢一郎に『君は三権分立をどう考えているんだ?』とバカにされたことがあったときには、『ざまあみろ』とささやいた記者も結構いました」(同記者)

 約4年前、共同通信は6年間でなんと61億円以上の申告漏れを東京国税局に指摘され、修正申告したこともあったが「大半は経費として認められなかったものだそうですから、いかに金遣いがおかしいか分かる。通信事業の再編で少しは苦しい思いをしてみたらいい」と同記者。

 記者の恨み言はさておき、共存共栄してきたメディア間のバランスが崩れてきたわけだ。海外&アマスポーツとくれば、夏のロンドン五輪あたりで大きな変化が見られるということか。
(文=和田修二)

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最終更新:2013/09/09 14:54
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