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「子どもたちが希望を持てる国にするために」東日本大震災追悼イベントに坂本龍一が登場

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 3月10日・11日の2日間、東京・日比谷公園で『311東日本大震災 市民のつどい Peace On Earth(ピースオンアース)』が開催された。

 震災から1年、犠牲になった方々を追悼し黙とうを捧げ、これからの未来を共有する場をつくるという理念の下、学者や活動家、ミュージシャン、アーティストらが参加。トークイベントやライブが行われた。

 11日には、この日のためにニューヨークから駆けつけた坂本龍一氏がトークイベントに登場。活動の拠点をニューヨークに移している坂本氏は、11年前の同時多発テロも体験している。

「9.11のとき現場のすぐそばにいたのですが、思考停止状態になりました。あのにぎやかなニューヨークが静まり返ったんですよ。誰も音楽をかけないし、ストリートミュージシャンもいなくなっちゃったし、車のクラクションも聞こえなくなった。こういうとき、人間って静かになるんだなと思いました」

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 3.11のときは9.11と同じような気持ちになり、「長いこと音楽が聴けなくなりましたね」という。また「メディアでよく音楽の力とか、音楽で元気を与えるというけど嫌なんだね、不遜な感じがして。音楽が寄り添うというのが合っているんじゃないかな」と独自の音楽観を語った。

 また、原発に関しても強い危機感を持っている一方、「東電の中にも自然エネルギーを普及させようと考えている人たちもいるし、魔女狩りみたいに東電は悪だとか、その家族の人たちまで差別するのはいけないと思う」と冷静な視点も。

 そして、日本のエネルギー自給率が低いことに対しては強い苦言を呈す。

「戦争とか災害が起きたときには、日本国民は生きていけない。エネルギーがなくなったら産業活動や生活ができない。日本はそんな脆弱なインフラの上に成り立っているのです。外国からエネルギーを毎年ものすごい量、年間11兆から12兆円も買っています。みなさんの税金が燃料と交換で海外に出ていく。そんなことをするよりは国内でエネルギーを自給するために使ったほうがいいんじゃないのか。やり方次第ではできると思うんです」

 その実現のためには法整備が重要であると訴えた。

「まずは政治を変えなくてはいけない。(宗教学者の)中沢新一君みたいに、日本における『緑の党』を作ろうとしている、思いを託せる人を政治の場に送り込むことが大切なのでは」

 子どもたちにとって希望の持てる国にするためにも、今こそ坂本氏の言葉をかみ締める必要があるのではないか。
(撮影・文=シン上田)

戦場のメリー・クリスマス

教授についてきます。

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最終更新:2023/01/27 13:01
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