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 >  >   > アニメ業界の新トレンド!? “分割2クール作品”急増の裏事情
週刊アニメ時評
週刊アニメ時評 第8回

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 3月も下旬に突入し、最終回を迎えるTVアニメも数知れず。我々視聴者を楽しませてくれたアニメが次々と完結するということで寂しい気もするが、4月に入れば新作アニメとの出会いが待っている。そんな出会いと別れの季節に身もだえするアニメファンも多いことだろう。

 4月からスタートする新作アニメのタイトルを見てまず気付くのが、「分割2クール作品」が深夜アニメに多いという点だ。

 「分割2クール作品」とは、放送前の時点で2クール(およそ24~26話)分の放送が決定しておきながら、前半と後半を1クールごとに区切って、一定の期間をあけて放送するという放送形態のアニメのことである。

 今春スタートする分割2クール作品は以下の通り。

・『Fate/Zero』
・『めだかボックス』
・『君と僕2』
・『ヨルムンガンド』
・『緋色の欠片』

 このほかにも、夏クールからスタートする分割2クール作品として、『輪廻のラグランジェ』『境界線上のホライズン』の2タイトルがすでに判明している。

 2000年代後半頃より、各クールに1~2タイトル程度は存在していた分割2クール作品だが、なぜここに来て爆発的にその数が増えたのだろうか。その理由を、とあるアニメ関係者はこう語る。

「1クールごとに新作アニメを作るという早いサイクルに、業界がついていけなくなってきて、以前より問題となっていたネタ切れが深刻になってきたんです。そこで分割2クールアニメを制作して、一つの作品の寿命を長引かせたいという業界全体の思惑があります」

 畳みかけるような勢いで新作を発表し、それに付随するDVD、アニメソングCDといったパッケージ商品や、関連書籍やフィギュアなどのグッズを売りさばくというビジネスモデルの深夜アニメには、とりわけパッケージ商品の購買力が高い20~30代のアニメファンが多い。

 2000年代後半より1クールで完結する作品が増え、どんどんと新たな作品が発表されてきたが、この流れはそういった「太い客」に、間断なく新たなグッズを買わせ続けるためでもある。

 しかし、あまりにも作品の入れ替わりのサイクルが早くなってしまったため、アニメ化できる原作や企画が枯渇し始めたというのだ。

 また、別のアニメ関連の音楽制作関係者は次のように分析する。

「ここ数年の不景気のせいで、DVDやCDといった深夜アニメでもっとも重要な資金源となるパッケージ商品が売れなくなってきたんです。2000年代中盤以降、DVDやCDをグッズ感覚で気軽に買うライト・ユーザーが増えたのですが、昨年あたりから彼らの財布の紐が堅くなってきました。その一方で、『アニメのDVD、CDならどんなタイトルでも絶対に買う』というコアなアニメファンが、一定数いることも事実です。そこで、今後はそういったコア・ユーザーに細く長くパッケージ商品を買ってもらえるような分割2クール作品が増えていくと思います」

 このように、アニメ業界に蔓延するネタ切れと、アニメファン向けにパッケージ商品を売るためのアニメを作る、という90年代以来のビジネスモデルの崩壊という深刻な問題が分割2クール作品の増加という現象の裏にあるようだ。

 とくに「コア・ユーザー向けの作品を細く長く」という前出の音楽制作関係者の話が事実だとすると、深夜アニメはよりアニメファン向けに先鋭化していく可能性もある。その結果、いわゆる「オタク向け」アニメが増加し、よりマニアックな、一部のアニメファンのみが楽しめる偏ったタイトルが続出することにはならないだろうか。

 確かにもともとアニメはマニアックな要素の強いメディアではあるが、近年のアニメブームを通じてアニメに興味を持ったライト層を取りこぼす事になってはあまりにももったいない。

 一方で分割2クール作品が増えることで、作品のボリュームが増加。1クールの作品では描ききれないような見応えのある作品が生まれる可能性もある。

 このようにアニメの作劇やメディア展開といったさまざまな部分に大きな影響を与えうる「分割2クール作品」の増加現象だが、一アニメファンとしては単純に2クール分の内容に水増ししただけの作品ばかりが増えないことを願うばかりである。
(文=龍崎珠樹)


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2クールだったらまだ……?


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