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知ってるようで知らない……薬局の歩き方・クスリの選び方 第4回

「多成分配合は危険!」山ほど並ぶ風邪薬はどれを買えばいい!?

サイゾー新ニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けしちゃいます!

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「多成分配合は危険!」山ほど並ぶ風邪薬はどれを買えばいい!? – Business Journal(11月12日)

post_987.jpg三田佳子のイメージが強かったパブロンのCM。いまはこの二人。
(「大正製薬HP」より)

 オイッス!

 季節の変わり目ですね、冬支度しましたかぁ? 寒暖差で調子崩してませんかぁ? 風邪引いてませんかぁ? 

 というわけで、今回は風邪薬のお話です。風邪薬というのは存在しないとか、本物の風邪薬を作ったらノーベル賞ものだとかのうわさ話のひとつやふたつを耳にしたことがある人もいると思います。

 そしてなにより、薬局にうずたかく積み上げられた風邪薬コーナーの圧倒的物量に、もはや何を買って良いのか判断できる人はなかなかおらず、その違いもまたよくわからない……というのが、風邪薬に対する印象ではないでしょうか?

●本当の風邪薬が無い理由

 現在、我々が享受している西洋医学は、抗生物質ありきといっても過言では無いのです。何が言いたいかというと、体に入れると細菌だけを殺してくれる抗生剤は、かつて人々を致死に追いやった疫病、結核、コレラ、赤痢といった感染症を一発で治し、今や恐るるに足りない病気にしました(耐性菌の話とかは、おいといて)。

 そして、外傷や外科手術にと、感染症を抑えることでさまざまな医療が可能になったわけです。
 
 そんな細菌に万能な抗生剤ですが、あくまで細菌を殺す薬なわけで、細菌ではない病原体、ウイルスにはまったく効果がありません。そして大部分の風邪というのは、ウイルス感染症です。「ウイルス感染症なら、インフルエンザみたいに予防接種ができるじゃなーーい!」といけそうなのですが、さにあらず。そもそも風邪はあらゆるウイルスの初期症状に過ぎません。コロナウイルス、ライノウイルス、それぞれが数百の型があり、さらに複合感染であったりして組み合わせは無限大。そんな膨大な量のウイルスに対するワクチンなんか用意してらんねえ、しかも致死性でもないウイルスにそんな無駄な開発はしてらんない……という理由で風邪のワクチンは存在しないわけです。決して作れないわけではないのです。

 致死性では無い……風邪にかかっても人はだいたい死なないので、あくまで不快な症状を抑えれば自然に治る、これが風邪薬のコンセプトです。要するに対処療法、QOL改善のための薬、要するに治療薬ではなく、対症状薬なわけです。

 ちなみにインフルエンザはかかるとしっかりと死亡者が出る、“死に至る病”ですから別格です。現代でももちろん死亡する場合もありますので、風邪の上位版みたいに考えるのは甘いです。予防注射を受けられる体力がある人は、受けておいたほうがいいですよ……。

●風邪薬のガブ飲みが効くわけ

 結局風邪薬とは、風邪によるさまざま症状を抑えるためだけの薬。病原菌を殺したり、免疫力を活性化させたりなどというものではありません。それゆえに、風邪薬を定められた容量の2倍3倍と飲めば、より強く症状を抑えることができますが、それは免疫力まで低下させることになり、結果的に治りを遅くし、最悪合併症の危険性なども上がってきて危険です。風邪薬は多めのほうが良く効くと、ガブのみして無茶な仕事をしている人を見かけますが、自殺行為なので、絶対にやめましょう。

 そんな市販の風邪薬の成分は実際のところ、ここ20年ほどほぼ変化はありません。入っているのは抗炎症剤(NSAIDsなど)、抗ヒスタミン剤、鎮咳・気管拡張剤、去痰剤の4成分です。あとの成分は、鎮静補佐成分やら、眠気抑えのカフェインやら、どうでもいいビタミン類やらという感じになります。

●風邪薬の主な成分一覧

抗炎症剤:炎症と、それによる痛みを抑える成分で、単品だと頭痛薬や痛み止めに使われます。
 <主な医薬品>
 アスピリン、アセトアミノフェン、イブプロフェン、エテンザミド、メフェナム酸、イソプロピルアンチピリン、スルピリン、ロキソプロフェン、塩化リゾチーム、トラネキサム酸

抗ヒスタミン剤:風邪薬に使用される医薬品は古い成分が多く、眠気が強くなるものが多いため、それを打ち消すためにカフェインが入れられることも多い。
 <主な医薬品>
 メチレンジサリチル酸プロメタジン、クロルフェニラミン、ジフェンヒドラミン、クレマスチン、メキタジン、カルビノキサミン

鎮咳・気管拡張剤:エフェドリン以外の医薬品は眠気成分になるので、市販薬ではエフェドリン類が好んで使われるが、効果としてはデキストロメトルファンの方が優秀。
 <主な医薬品>
 ジヒドロコデイン、デキストロメトルファン、ノスカピン、エフェドリン(メチルエフェドリン

去痰剤:咳が起きる元になる神経の興奮を抑える薬で、副作用は殆ど無いわりに良く効く成分です。
 <主な医薬品>
 グアイフェネシン、ブロモヘキシン、カルボシステイン、アンブロキソール

その他:ほかの成分を補佐したり、副作用を抑えたりといったものに添加されます。
 <主な医薬品>
 ブロモワレリル尿素 ヨウ化イソプロパミド カフェイン ビタミン類 

●どれを買えばいいんだろう?

 えーーーーっと。まぁ、ここまで来て言うのもなんなんですが、どれでも効果は変わりません。

 先の表を頼りに、不快症状が頭痛なのか、喉のイガイガなのか、湿性の咳なのか(痰がからんだゲロゲロ言う咳)、乾性の咳(乾いた咳)なのかに併せて、一番安いのを買えば十分です。ブランドとか、絶妙な配合もクソもありません。実際に医者にかかっても、処方されるのは大半がPL顆粒という非ピリン系の総合風邪薬程度で、中身は、市販薬に毛が生えた程度のものです(だが良く効くんだけどな)。

 むしろオススメしない風邪薬という点では、やたらと成分が多いものは要注意。ありとあらゆる症状を緩和させようと、市販薬に入れることができる成分をやたらめったら詰め込んだ風邪薬は、無駄に配合された成分同士がケンカしあって、風邪を治すどころか悪化させかねないものも多く、オススメできるとは到底言えません。

 箱の裏を見て、3〜4行にまたがる成分が記されている大量配合は、下手な鉄砲なんとやら。決して優秀なガンマンではありません。そんなボンクラ用心棒願い下げです。

 風邪で大事なのは、1に養生、2に養生です。栄養をしっかりとって、ゆっくり休んで、早く直すのが先決。ずるずると風邪薬を飲み続けて一進一退を続けて、仕事のパフォーマンスを落とすくらいなら、ガっと休んで健康を取り戻してからがんばって取り戻せばいいんです。

 また眠気の少ないものより、眠気が強くてもしっかり不快症状を抑える薬を飲んで、ビタミンCを多めにとって、カロリー控えめ栄養豊富で消化しやすい食事をしてガッツリ休めば2〜3日で全快します。

 それでも一切治らない……1週間たっても咳が収まらないどころか悪化してきた、とあれば、それは風邪ではありません。おそらく何か別の病気の初期症状ですので、大人しく病院に。最近はマイコプラズマ肺炎なんかも増えているのでご注意あれ

 風邪薬を飲んでごまかし続けてもロクなことはないですよー!
(文=へるどくたークラレ)

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最終更新:2012/11/13 14:00
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