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W杯ドイツ代表“差別ダンス”余波が日本でも……代々木ブラジルフェスで乱闘騒ぎ

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 本場のブラジル料理の販売やサンバショーなどを行う「第9回ブラジルフェスティバル2014」が19日、東京・代々木公園で開催されたが、楽しい夏の饗宴とは思えない殺伐とした場面があった。


「ここで踊ってみせろ!」

 ブラジル人と思われる集団が、通りかかった白人たちに英語でこう浴びせると、白人たちが一部の言葉尻をとって「正しい英語を使え」などと言い返し、小競り合いとなった。目撃者によると、ドイツ人と思われる白人のひとりがサッカーチームのユニフォームを着ていたため、ブラジル人が絡み始めたという。先のワールドカップで優勝したドイツの代表メンバーが帰国後、決勝で破ったアルゼンチンを見下す内容のダンスを祝勝イベントで踊ったという報道があったが、同じ南米人のブラジル人がそれをネタに、ドイツ人を挑発したことがきっかけだったようだ。

「次に優勝するのは俺たちだ!」

 現場は一触即発。ブラジルフェスティバルとあり、まるで“リトル・サンパウロ”の様相だっただけに、危険を察知した白人一行はその場をすぐに去っていった。

 せっかくの祭りに影を落としたのはワールドカップか。ブラジルは準決勝でドイツに1-7の大敗の末、さらに3位決定戦でオランダに敗北。来日4年のブラジル人であるホドリゴ・サンチェス氏は「我らがネイマールが準々決勝で骨折し、戦線離脱。準決勝に出場することができなかったストレスは、まだ記憶に新しい。潔く負けを認められていない部分もある」と話す。

 実際、当のネイマールもそうした空気に「我々はこの敗北を認める度量を見せなければならない」と、苦言を呈したほどだった。

「ブラジルは、64年ぶりとなる自国開催のワールドカップに110億ドルも費やし経済効果を期待していたが、結果がこれ(準決勝敗退)では、“すべて無駄になった”という批判が国内で渦巻くのも仕方ない」(サンチェス氏)

 リオデジャネイロの治安当局はワールドカップ敗戦後、外国人とのケンカ騒ぎが急増したと発表。サンパウロではバスが炎上する事件に発展し、大統領の支持率も下がるなど大きな影を落としている。サッカー大国にとって4位という結果は、歴史的恥辱だったようだ。

 イベントでは、ほかでも白人との乱闘騒ぎがあったというが、救われたのは前述の騒動直後、サンバのチームが腹の底から響くような太鼓の音を響かせて空気を一変させたことだった。日本とブラジルの混成チームに大歓声が上がり、日本人客がブラジルグッズ店に殺到していた。1次リーグで惨敗した日本人は、騒動からも蚊帳の外だったようだ。
(文・写真=ハイセーヤスダ)

最終更新:2014/07/25 21:00
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