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ぼったくり上等、暴走事故激増、乗車拒否乱発……韓国でタクシーに「乗ってはいけない」3つの理由

3275463211_b3f542ab65_z.jpgイメージ画像 Photo By MasDom from Flickr.

 旅行先で、ガイド代わりにタクシーを利用するのはよくあることだ。その道のプロに教わる穴場スポットなどは、通常のガイドにはない面白さがある。しかし、見知らぬ人に運転を任せる以上、予期せぬトラブルも起きやすい。中国人をはじめとする日本人以外の外国人旅行客が急増する韓国では、タクシー絡みの揉め事が多発。無視できない社会問題となっている。韓国観光公社と韓国警察の調べによると、2014年1~12月までの外国人観光客による韓国タクシーへの不満申告件数は、128件に上った。

 中でも、運賃の“ぼったくり”は大きな問題となっている。年明け間もない1月12日にも、中国人観光客に対し、仁川空港からソウル市内のホテルまでの運賃を通常の10倍支払わせたことが発覚。運転手が警察に摘発された。

 この一件は、中国人観光客が宿泊していたホテルにタクシーの相場を聞くことでぼったくりが明らかになったようだが、実際には妥当な金額を知らなかったり、泣き寝入りしたりしているケースも珍しくない。韓国では認可の下りているタクシーは、ナンバープレートの上2ケタが30~39番と決められている。外装や内装だけでは違法タクシーに気付くのが難しいが、最低限の確認は必須である。

また、韓国の深夜の暴走タクシーも危険だ。明け方近くになると、その数は徐々に増えてくる。乗るほうからすれば、ちょっとしたチキンレースである。暴走タクシーによる事故は年々増加傾向にある。韓国の個人タクシーは10年の約16万3,000台から大きく変動していないが、対物事故数は09年の4万3,761件(韓国個人タクシー協同組合調べ)から6万1,567件と、大幅に増加している。

 運転手の不親切と乗車拒否も問題だ。昨年、ソウル市議会交通委員会に提出された公共交通機関への嘆願書は1万9,616件。そのうち1万3,717件がタクシー関連の嘆願だった。嘆願内容の種類を分けると、乗車拒否が4,470件で全体の32.6%に上り、次に不親切(31.7%)、不当料金(18.4%)が続く。

 乱暴運転や乗車拒否などといった韓国タクシーが抱えるさまざまな問題は、低い安全意識と社納金(レンタル料金をタクシー会社へ支払えば、差額の売上が全額タクシー運転手のものになるシステム)に対する不満などの要素が複雑に絡まり合っている。現行の取り締まりには限界があり、専門家の中では、タクシーに速度制限装置の取り付けを義務化する制度の導入を主張する声も大きい。

 日本同様、観光客誘致に力を注ぐ韓国だが、足元には解決すべきトラブルが山積しているようだ。
(文・取材=慎虎俊)

最終更新:2015/01/30 21:00
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