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日本の民俗芸能は「美しいんだけど、怖い」 ― 集落に伝わる神々しい恐怖を捉えた写真家・西村裕介インタビュー
2016/01/26 09:15
笠寺猩々(愛知県)
――写真集の中で、特にこれは見てほしいというものはありますか?
西村 どの芸能にも思い入れがありますが、個人的にはその年の豊作を祈る「予祝芸能」が好きです。静岡県にある「藤守の田遊び」は、大井八幡宮で行われ、氏子の未婚男子である、小学生から高校生くらいまでの子供達によって踊られるのですが、田んぼの耕作から稲を刈り上げるまでを模擬的に演じて、豊作を祈願します。子供達が生命の強さや大切さを一生懸命に体を動かして覚える姿がとても健全に見えました。また、秋田の「本海獅子舞番楽(ほんかいししまいばんがく)」は、かつて山伏修験者達が村人たちに教えた踊りが伝わっています。彼らが使う道具類には200年以上も前から大切に受け継がれているものもあり、それらが舞の迫力をさらに引き立てていて、すごく素敵です。