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SMAP・香取慎吾を壊した? 連載終了で思い出される、実写版『こち亀』の悲劇

「週刊少年ジャンプ」(集英社)で40年にわたって連載を続けてきた『こちら葛飾区亀有公園前派出所』が、17日発売の同42号をもって終了する。近年、一部では“ジャンプの老害”と揶揄されながらも、ここまで連載が続いたことは驚異だろう。

 これまで『こち亀』はアニメ、ドラマ、映画、ゲームと数々のメディアミックスを成し遂げてきた。その中でも、ファンにとって最大の黒歴史といえば実写ドラマだろう。

 ドラマ版『こち亀』は2009年にTBS系で放送され、主人公の両津役を演じたのはSMAP・香取慎吾だった。ほか麗子役は香里奈、中川役は速水もこみちといった布陣。

 最もファンを落胆させたのは、両津役が香取でだったことだろう。『こち亀』の実写化は過去に何度か行われており、1977年の映画ではせんだみつお、99年の舞台ではラサール石井が演じている。ラサールは96年から始まったアニメ版でも声優を担当しており、独特のダミ声は「両津のイメージにぴったり」との評価を得ていた。

「ドラマが制作された際も、当初は原作者の秋本治氏の希望もあって、ラサールさんに主演オファーが出されていましたが、本人がスケジュールの都合などで断っています。そこで白羽の矢が立ったのが、香取でした。いわば、“代役”としての主演だったんです」(芸能記者)

 香取は熱演を見せたものの、視聴者の多くはその演技を“空回り”と捉えたのか、全体を通して視聴率は伸び悩み、平均視聴率は9.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)にとどまった。

「当時の香取は『薔薇のない部屋』(08年/フジテレビ系)のシリアスな演技が高い評価を受け、翌年のフジテレビ開局50周年記念特別ドラマ『黒部の太陽』でも主演をこなすなど、本格俳優の道を歩きだした矢先でした。そのため、『こち亀』での完全に振り切ったコメディ演技に、違和感を覚えた視聴者も多かったはず。俳優としての評価もガタ落ちで、各方面から大きなバッシングを受けましたが、どんな役でも全力で取り組むのが香取の長所。『こち亀』の失敗は、香取本人の責任ではないですよ」(同)

 しかし、あろうことかTBSは“大コケ”した『こち亀』を劇場映画化。11年に『こちら葛飾区亀有公園前派出所 THE MOVIE ~勝どき橋を封鎖せよ!~』というタイトルで公開したが、これはフジテレビ『踊る大捜査線』シリーズの劣化コピーともいえる企画だった。こうした、作品の世界観を無視した手法も、従来の『こち亀』ファンから大きな批判を受けることとなった。結果、最終的な興収は、277スクリーンでの全国ロードショーにもかかわらず、8億円あまりにとどまっている。

「ドラマ、映画を通じて、やはり香取の演技は上滑りするばかり。現在でも『ほげぇぇ!』といった迷セリフや、“アヘ顔ダブルピース”と呼ばれる独特の笑顔ポーズは、ネット上で語り草となっています。俳優・香取慎吾のイメージが『こち亀』で定着してしまったことは間違いありません」(同)

 この劇場版『こち亀』公開後も、香取は毎年のように主演ドラマに挑んでいるが、ヒット作には恵まれていない。

 折しも『こち亀』の連載が終了することが決まり、SMAPも年末での解散が発表されている。業界内では、メンバーの中で、最も今後の活動が不明瞭なのが香取だという声も少なくない。『こち亀』が香取の芸能人生に及ぼした影響は、決して小さいものではないだろう。

最終更新:2017/06/08 18:32
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