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100人分の個人情報が約26円で売買……韓国でダークネットの利用者急増も、対策追いつかず

darknet1020.jpgイメージ画像(Thinkstockより)

“ダークネット(Dark net)”という言葉をご存じだろうか? 文字通り、法の網から外れた、闇のインターネット環境を総称する言葉だ。ダークネットの世界では、一般のブラウザや各種セキュリティは機能しない。監視から隔離されたネット世界であるため、麻薬や銃器、児童ポルノなどのわいせつ物の取引が幅を利かせているのだ。

 そんなダークネットの利用者が、韓国で増えているという。同国の放送通信審議委員会に寄せられたダークネット上の児童ポルノ取引の告発は、2014年17件、15年253件、そして今年も8月までで261件と急増している。

 児童ポルノだけではない。今年5月に韓国内に麻薬を密輸・流通させたとして逮捕されたフランス人も、ダークネットを介してオランダの売人からエクスタシーや大麻などをビットコインで購入していたことがわかっている。

 韓国メディアによると、ダークネットはブラウザ「Tor」が公開された06年以降、徐々に知られ始めたという。利用者が本格的に増加したのはここ5~6年のことで、アメリカやヨーロッパでは、ダークネットを利用した銃器や麻薬類、偽造身分証の取引が何件も摘発されているそうだ。今年1月に英国国際戦略研究所(IISS)が発表した論文によると、「Tor」上の不法サイトは、1,547サイトに上る。サイトの種類を見ると、麻薬取引が423サイトとトップで、不法わいせつ物(122サイト)、ハッキング(96サイト)、不法SNS(64サイト)、兵器取引(42サイト)などが続く。

 7月にドイツ・ミュンヘンで起こった銃乱射事件にも、ダークネットが関係していたという。死者9人、負傷者21人という大惨事を引き起こした犯人は、18歳の少年。彼が犯行に使用したピストルや銃弾を購入したルートが、ダークネットだったという。

 ある韓国メディアは、実際にダークネット上のサイトに接続。個人情報を販売しているサイト「AlphaBay Market」では、名前や住所はもちろん、電話番号、銀行口座情報などを含めた個人情報がパッケージで販売されているという。100人程度の個人情報をパッケージ化した商品が、わずか25セント(約26円)で売られているというのだから、驚かざるを得ない。“優良サイト”だけに、利用者の評判も上々なのだとか。

 韓国内ではダークネット利用者が急増しているものの、対応が遅れているのが現状だ。ダークネット問題を指摘したある国会議員は、「海外では、サイバー犯罪の件数が一般犯罪を超えるほど広がっている。特にダークネットは、各種サイバー犯罪に悪用されているのが実態だが、韓国ではまったくの無防備だ」と訴えている。

 韓国に限らず、世界中に広まって犯罪を助長しているというダークネット。犯罪の温床となるだけに、一日も早い対策が必要だ。

最終更新:2016/10/23 16:00
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