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100回記念で盛り上がる甲子園「地元で応援してもらえない」不憫な高校たち……

※イメージ画像

 8月5日に全国高校野球選手権が開幕。今大会は100回目の記念大会となるため、通常より多い56校の代表校が聖地・甲子園を舞台に集い、熱い戦いを繰り広げている。県ごとの代表が集う“夏の甲子園”は地域の応援もすさまじく、もはや高校スポーツという枠を超えた感さえあるが、実際、強豪校の実態は“さながらプロ”だ。週刊誌のスポーツ記者が語る。

「甲子園の強豪と呼ばれるチームは全国から選手を集めており、U-12(12歳以下代表)やU-15(15歳以下代表)の試合には、全国の強豪校の関係者がずらりと顔を揃えるのが当たり前の光景です。特A級の力を持った選手にもなれば、十校以上の争奪戦になりますし、ベンチ入りやポジションを確約した上でスカウトする例もあります。選手側も名前だけで高校を選ぶ時代は過ぎ去っており、『投手を育てるのが上手い』『トレーニング施設が充実している』といった理由で高校を選びます」(スポーツ記者)

 幼い頃から切磋琢磨を重ねてきた子どもが、より高いレベルでのプレーを望むのは当然のこと。しかし選手がいくら一生懸命だからといって、地元県民が“おらが県の代表”を応援してくれるかといえば、それはまた別の話だ。

「スカウティングが盛んになったことで、チームが県外出身選手ばかりのチームがどうしても生まれてしまいます。今大会の出場校の場合、ベンチ入りした選手のうち、県内出身の選手が5割以下のチームは20チームあります。この中には優勝候補と言われる大阪桐蔭、花咲徳栄、日大三高なども含まれており、島根の益田東には県内出身選手は1人もいません。こういった高校はなかなか地元からは応援されにくいです。このほか、福島の聖光学院や青森の八戸学院光星なども県外出身選手が多いため、地元では不人気ですね。今大会は出場を逃しましたが、高知の明徳義塾は県外選手が多いうえに、松井秀喜の5連続敬遠事件があったため、地元では人気がありません。また2016年夏、ベスト4まで上り詰めた熊本の秀岳館は、監督が指揮を執っていた大阪のボーイズリーグの選手をごっそり連れて来たチームだったため、地元からは完全にそっぽを向かれました」(同)

 ただ、選手としては、地元の応援を得られないことなど二の次、三の次。関係者の間でも、野球留学に否定的な人は少数派だという。フリーのスポーツライターが言う。

「トレーニング理論が確立された今、選手たちは、古びた根性論では全国大会で勝ち上がれないことを一番よく分かっています。高校生を見る関係者も、退路を断ち、親元を離れてきた選手には一目置いています。勉強や芸術、囲碁や将棋なら、15歳で親元を離れて目標を目指すのは美談なはずなのに、それが野球になると叩かれるのは不条理です。もう少し彼らを温かい目で見てあげて欲しいと思います」

 大会はまだ始まったばかり。第100回記念大会を制するのは、地元っ子で集めた高校なのか、それとも野球留学生ばかりの高校なのか……。

最終更新:2018/08/08 19:30
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