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【バック・トゥ・ザ・80'S】Vol.8

“懐かしのおもちゃ”から”スポーツ”へ 「ルービックキューブ」今昔物語

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アナログとデジタルの過渡期であった1980年代。WiiもPS3もなかったけれど、ジャンクでチープなおもちゃがあふれていた。足りない技術を想像力で補い、夢中になって集めた「キン消し」「ミニ四駆」「ビックリマンシール」……。懐かしいおもちゃたちの現在の姿を探る! 

 「3×3×3の立方体をガチガチっと組みかえて、一面を同じ色でそろえよう!」というこの上なくシンプルな立体パズル「ルービックキューブ」。

 1974年に、ハンガリーの発明家にして建築家、エルノー・ルービックが考案したこの立体パズルは、1980年にツクダオリジナルより日本でも発売開始。それからわずか8カ月で約400万個以上という売り上げを記録した。

 10万個売れればヒットといわれる玩具業界において驚異的なヒット商品となったルービックキューブは、日本全国に一大ブームを巻き起こし、81年1月31日には帝国ホテルにて「第1回全日本キュービスト大会」が行われるほどの大ヒット商品となった。

 読者の中には、当時、なんとか一面だけでも色をそろえようと必死にカラフルな立方体をいじり倒した人もいるのではないだろうか。今回は、そんなルービックキューブの今を追いかけてみよう。

■インターネット時代が追い風に

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「2000年代に入ってから日本国内のみならず、世界で大きなブームがきています」

 そう語るのは、現在日本でルービックキューブを販売している株式会社メガハウスの広報担当・板垣有記氏だ。

 05年に発売されたニンテンドーDS用ゲームソフト『脳を鍛える大人のDSトレーニング』(任天堂)に端を発する脳トレブームが追い風となり、知的玩具として大きな注目を浴びるようになったルービックキューブは、07年には日本国内のシリーズ年間出荷個数が90万個を記録。同年、国内累計出荷数が1,000万個を突破したそうだ。

 また世界的に見ても、03年に82年の第1回以来約20年ぶりとなる世界大会がカナダ・トロントで開催されたのを皮切りに、以降2年ごとに世界各地で同大会が催されている。

 世界的なムーブメントの理由として板垣氏は、

「親がルービックキューブを持っていたから……という事情もあるのでしょうが、動画投稿サイトの影響も考えられます。ルービックキューブ愛好家が続々と自分のプレー動画をアップロードし、それを面白いと思った若い世代が興味を持ってルービックキューブを手にすることが多いようです」

2x2x4PKG.jpg2×2×4という変則的なデザインが印象的な「ルービックタワー」。

 と、インターネット時代ならではの隆盛の理由を語る。実際に大会の上位入賞者の顔ぶれを見ると、発売当初のブームを知るはずもなさそうな10代の若者が非常に多い。

 彼らはルービックキューブを回転させるための特殊なテクニックを駆使して、1秒でも速くパズル完成を目指す。達人クラスともなれば親指から小指までを駆使して、一瞬で何回転もさせてしまうという。

 こういったテクニックを習得するのは、もちろん一朝一夕にできるものではない。実に、4,325京2,003兆2,744億8,985万6,000通りも存在するブロックの配置から、すべてそろった状態に復元すべく、若きトップ・キュービストたちはルービックキューブを「懐かしのおもちゃ」ではなくスポーツ的な競技と認識し、日々鍛錬に明け暮れているのだ。

■日本の中高生が活躍した2011年の世界大会!

 さて、そんな奥の深いルービックキューブだが、世界大会ではどんな競技が行われているのだろうか。

 有志のキュービストが集まり、日本国内でルービックキューブ普及活動を行っている「日本ルービックキューブ協会」のサイトによれば、「3×3×3」、「4×4×4」、「5×5×5」のルービックキューブの色をそろえるという標準的な競技のほか、「片手でそろえる」「両足でそろえる」といったアクロバティックな競技まで多種多様。中には「目隠ししたままそろえる」という神業レベルの競技まであり、過去には目隠ししたまま19個のルービックキューブを53分ですべてそろえた、という中国代表による驚異的な記録も残っているそうだ。

r003.jpgブロックの形状自体が変わっていく「ルービックミラーブロックス」。

 このような世界各国のトップ・キュービストが集う「ルービックキューブ世界大会2011」が、今年もタイにて開催されたことはご存じだろうか。

 世界36カ国317名が参加した本大会に、日本からは過去最大の36名が参加。各部門で日本人選手が好成績を残す中、「3×3×3片手部門」で中学3年生の伏見有史君が15秒56で優勝を。そして高校3年生の田渕雄夢君が15秒57で準優勝を飾った。

「81年の第1回全日本キュービスト大会では46秒台だった3×3×3のベストタイムも、今や7秒台。タイムは日々更新され続けています」

 という板垣氏の言葉からも分かるように、四半世紀を経てもなおルービックキューブを究めんとするキュービスト達の挑戦は続いており、日本の若者達がその最先端を走っているようだ。

■進化し続けるルービックキューブ

 日本での発売開始以来、基本的に一切変更点のないルービックキューブだが、そのアイデアを生かした新製品が毎年のように発売されている。

cubemain.jpg初心者向け対戦型ゲーム「ルービックレース」

 スタンダードなモデルのほかに、2×2×4という変則的なデザインが印象的な「ルービックタワー」。ブロックの形状自体が変わっていく「ルービックミラーブロックス」という非常に高難度な上級者向けアイテムが好評を博す一方、

「今後は日本ルービックキューブ協会と協力して、子供や年配の方に向けてルービックキューブを定着させていきたいです」

 そう板垣氏が語るように、先月発売されたばかりの初心者向け対戦型ゲーム「ルービックレース」など、魅力的なラインナップがズラリと並ぶ。国内での発売からおよそ30年を経た今日もなお、ルービックキューブは進化し拡大し続けているのだ。

 人間の頭脳と手先に潜む無限の可能性に挑む立体パズルに、読者のみなさんもぜひとも挑戦してみてはいかがだろうか。
(取材・文=有田シュン)

ルービックキューブ

一度もそろった試しがないよ。

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最終更新:2012/04/08 23:21
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