日刊サイゾー トップ > 連載・コラム > 連載終了  > キンタロー。ブレイクのワケ
お笑い評論家・ラリー遠田の【この芸人を見よ!】第113回

キンタロー。ブレイクのワケ 世間が抱く「AKBへの違和感」を体現した“真正面のものまね”

quwdftfqwuey.jpgキンタロー。オフィシャルブログ「キンタロー。の人生はキンキンキラキラや~」

 今月4日、前田敦子のものまねで知られるキンタロー。が、東京・秋葉原のAKB48劇場を訪れて、「AKB48選抜総選挙」に自分も立候補したいと直談判。「フライングゲット」の振り付けを力一杯踊りきり、AKB48に対する思い入れを必死で訴えたが、立候補は認められなかった。

 元AKB48・前田敦子のものまねで一躍人気者となったキンタロー。。彼女はなぜ、ここまで大ブレイクすることができたのだろうか? 最大の理由はもちろん、ものまねの題材選びにある。今をときめくAKB48の人気メンバーを真正面からものまねするというのは、ありそうでなかった斬新な発想だった。

 また、彼女はAKB48のものまねをするのにうってつけの資質を備えていた。それは、見た目の面白さと卓越したダンスの腕前だ。キンタロー。は頭部が大きく背が低いコミカルな体型。そんな彼女がアイドルの真似をすると、それだけで強烈な印象が残る。しかも、社交ダンスの講師を務めていたこともあり、ダンスの実力は折り紙付き。本物をしのぐほど切れのある動きでアイドルの振り付けをするからこそ、コミカルな外見とのギャップで笑いが増幅することになる。

 さらに彼女は、火中の栗を拾うように最も危険な場所に飛び込んでいった。前田敦子が泣きじゃくりながら「私のことは嫌いでも、AKBのことは嫌いにならないでください」という名言を放つシーン。AKBファンにとっては思い入れの深いその名場面を、キンタロー。はあえてネタにしてしまったのだ。

 もちろん、最初はネット上で激しいバッシングを受けた。狂信的な一部のAKBファンからの抵抗は大きかった。でも、実際のところ、世の中のほとんどの人は、AKBに対してそこまで特別な思い入れはない。むしろ、握手会や総選挙などのイベントの異様な盛り上がり、一部のファンの熱狂ぶり、恋愛禁止ルールの不可解さなど、さまざまな点について漠然とした違和感のようなものを抱いている人も多かったはず。

 そんな大多数の一般人にとって、キンタロー。のネタはまさに待ち望んでいたものだった。彼女はものまね芸を通じて、AKBに敬意を払いながらAKBをからかうことができる。こんなものまね芸人に「会いたかった」とばかりに、世間はキンタロー。を全面的に受け入れた。彼女は今ではテレビに出ない日はないほどの人気ぶり。あっという間にテレビの世界を「総占拠」してしまった。

 さらに、彼女にとって幸運だったのは、前田敦子がテレビに出なくなるタイミングと、彼女が前田敦子のものまねでテレビに出始めるタイミングが見事に重なっていたことだ。一歩引いた位置にあるものをイジるからこそ、そこに適度な距離ができて、見る側も受け入れやすくなる。たまたまちょうどいい時期に前田敦子がAKB48を脱退したことで、キンタロー。にも「チャンスの順番」が回ってきたのだ。

 今では、ソフトバンクのCMで本物の前田敦子がキンタロー。の持ちギャグ「フライングゲット」を真似する始末。もはやAKB側としても、キンタロー。を無視したり否定したりするよりも、認めて取り込んでしまう方が得策だということになっている。「上からマリコ」ならぬ「下からキンタロー。」状態。ものまね芸人がいつのまにか本家の人気を追い抜いてしまった。

12

キンタロー。ブレイクのワケ 世間が抱く「AKBへの違和感」を体現した“真正面のものまね”のページです。日刊サイゾー芸能最新情報のほか、ジャニーズ/AKB48/アイドル/タレント/お笑い芸人のゴシップや芸能界の裏話・噂をお届けします。その他スポーツニュース、サブカルチャーネタ、連載コラムドラマレビューインタビュー中韓など社会系の話題も充実。芸能人のニュースまとめなら日刊サイゾーへ!

ページ上部へ戻る

絶対的満足度の至宝店すべて見る

人気連載すべて見る

元木昌彦の『週刊誌スクープ大賞』

「週刊現代」「FRIDAY」の編集長を歴任した"伝説の編集者"元木昌彦による週刊誌レビュー

“キング・オブ・アウトロー”瓜田純士、かく語りき

“キング・オブ・アウトロー”瓜田純士の最新情報をお届け! 嫁・麗子も時々登場。

テレビウォッチャー・飲用てれびの『テレビ日記』

テレビの気になる発言から、世相を斬る!

じゃまおくんのWEB漫クエスト

マンガレビューブログ管理人じゃまおくんが、インターネットに埋もれる一押しマンガを発掘!

腹筋王子カツオ『サイゾー筋トレ部』

“腹筋インストラクター”腹筋王子カツオさんが、自宅でも簡単にできるエクササイズを紹介!

イチオシ企画

【PR】DYM・水谷佑毅社長の野望とは?

医師免許を持つ、ベンチャー経営者の異色の半生!
写真
特集

問題案件連発でジャニーズ帝国崩壊!?

マッチの不倫や山下智久の退所などが重なり、ジャニーズの根幹がゆらぎ始めている…。
写真
人気連載

女性の意識の変化を描いた小津安二郎

ドラマ『チャンネルはそのまま!』(HTB)や...…
写真
インタビュー

さらば青春の光インタビュー

今月4日、前田敦子のものまねで知られるキンタロー。が、東京・秋葉原のAKB48劇場を訪れ...
写真