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本多圭の「芸能界・今昔・裏・レポート」

“裏切り”相次いでも……サンミュージック故・相澤秀禎会長のアイドルたちへの思い

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芸能取材歴30年以上、タブー知らずのベテランジャーナリストが、縦横無尽に話題の芸能トピックの「裏側」を語り尽くす!

 「僕は生涯現役マネジャーだよ」と言っていたサンミュージックプロダクションの相澤秀禎会長が5月23日、すい臓がんのために他界。享年83歳だった。

 筆者は長年、相澤会長の会長室で、月に一度は芸能界の情報交換や世間話をしてきた。亡くなる10日くらい前に相澤会長の携帯に電話したところ、女性が電話口に出て「今、検査中で出られません」と切られて以降、電話がつながらなくなったので嫌な予感がしていたが、まさかがんだとは思わなかった。

 相澤会長は、筆者に一度もがんだとは言わなかった。健康には気を遣い、月に一度は主治医がいる大学病院で定期検査して、異常がなかったと聞いていたからだ。むしろ、“どこどこの事務所の社長が大腸がんだって”と他人を心配していたほどだった。

 相澤会長は人柄もよく温厚で、業界関係者からは“相さん”と呼ばれて愛されたが、その寛容な人柄が仇になったのか、自ら育てた女性タレントに裏切られることが多かった。

 相澤会長は、俳優で現・千葉県知事の森田健作を第1号タレントして、サンミュージックを設立。その後、桜田淳子をはじめ、松田聖子、早見優、故・岡田有希子、それに酒井法子といった女性アイドルを育て上げて、一時、“女性アイドルの宝庫”といわれる時代があった。

 相澤会長は、そんなタレントたちをデビュー前から自宅に下宿させ、家族同然に育てるというのが方針だった。しかし、親の心子知らずで、彼女たちに裏切られることが多かった。86年には、スターの座をつかんだ岡田有希子が、事務所のビルの屋上から飛び降り自殺。3年後には、松田聖子に早朝、自宅に呼び出されて、一方的に独立を宣言されたという。聖子の男性スキャンダルを体を張ってガードしてきた相澤会長にとって、これほど屈辱的なことはなかっただろう。その後、桜田淳子が、霊感商法が社会問題になった統一教会の“合同結婚式”に事務所の反対を押し切って出席。マスコミからバッシングを浴びたこともあり、相澤会長は断腸の思いで、桜田を追放した。

 相次ぐ裏切りに嫌気が差したのか、その後、女性アイドルのマネジメントを手掛けることがなくなった相澤会長。代わって、息子の相澤正久社長はお笑いのマネジメントに積極的に取り組んで、芸人を次々に売り出した。相澤会長が筆者に「うちはお笑いばかりで、サンミュージックではなく、サンバラエティになった」と、うれしそうに語っていたことを忘れない。

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