日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 快進撃続ける体操・内村の歴史
アスリート列伝 第15回

前人未到の記録更新中 体操・内村航平を生み出した母親の本音

 12年、2度目の五輪出場となったロンドンの舞台。「もう無理しなくていいよ、もう十分……」母は我が子を休ませたいと思っていた。失敗すれば、命の危険もある体操の世界。母にとって、航平は歴史的な体操選手であると同時に、かわいい我が子でもある。ロンドンで、母は「私の命と引き換えでもいいから、この子の夢を叶えてあげて……」と祈りを捧げた。そんな祈りが通じたのか、航平は表彰台の一番高い場所に立ち、ノースグリニッジアリーナには君が代の音色が鳴り響いたのだ。

「何より嬉しかったのが、表彰式で受け取った花束を、スタンドにいる私に投げてくれたことでした」

 母は、航平が大好きなチョコレートと手縫いのお守りを投げ返した。

 ロンドン五輪後も、航平の躍進は止まらない。全日本選手権では7連覇、NHK杯で6連覇、世界選手権4連覇と、前人未到の記録を次々と打ち立てている。もはや、誰もが航平の勝利を確信しており、ロンドン五輪時よりもはるかに大きな重圧がのしかかっているはず……と思いきや、そうでもないらしい。航平は過去に「プレッシャーの意味が分からないんです」と発言している。

 一方、母は、「すでにリオではどんな応援をしようかと考えている」と話しているものの、こんな本音も吐露している。

「私としては、こんなこと思ってはいけないのでしょうが、航平がまだまだ現役を続けるということに関しては、心配で仕方がありません」(同)

 今月5日からは、世界選手権代表選考会をかねた全日本体操種目別選手権が開催される。昨年アントワープ世界選手権で、日本体操史上最年少の金メダルに輝いた白井健三をはじめとした若手が急成長を遂げる中、内村は今回も王者の貫禄を見せつけることができるのだろうか――。リオ五輪まであと2年。まだまだ、母の気は休まることはないようだ。
(文=萩原雄太[かもめマシーン])

最終更新:2014/07/04 11:20
12
ページ上部へ戻る

配給映画

トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • twitter
  • feed