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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 柳原の一言に南キャン山里大慌て
テレビウォッチャー・てれびのスキマの「テレビ裏ガイド」第82回

南キャン山里パニック! フジ『ミレニアムズ』の“卑屈疲れ”と“ナナメ”の夜明け

mireniamuz.jpg『ミレニアムズ』フジテレビ

「これをやっちゃったらこの番組、コンセプト大丈夫?」

 南海キャンディーズ山里亮太は、慌てふためいて叫んだ。

 『ミレニアムズ』(フジテレビ系)の人気コーナー「カスママ」に訪れた、ゲストの柳原可奈子とのやりとりの一幕だ。

 『ミレニアムズ』は2014年10月から始まった番組。オードリー、ウーマンラッシュアワー、ナイツ、流れ星、山里という、2000年デビューのお笑い界の精鋭たちを集めたユニット番組だ。

 フジテレビのユニット番組といえば、『オレたちひょうきん族』までさかのぼる。以降、ダウンタウンやウッチャンナンチャンを輩出した『夢で逢えたら』、後の『めちゃ×2イケてるッ!』へとつながる『とぶくすり』、キングコング、ロバート、インパルス、ドランクドラゴンらの『はねるのトびら』、ピース、ハライチ、平成ノブシコブシなどの『ピカルの定理』と伝統は受け継がれてきた。『ミレニアムズ』も、この流れに続く番組だ。これらのほとんどは若手芸人の登竜門的番組だったが、『ミレニアムズ』のメンバーの多くは、すでに他番組などで実績のある、いわば“できあがった”芸人たち。だからこの番組では、これまで彼らが築き上げてきたキャラクターを生かしたコーナーが多い。それは『ミレニアムズ』の見やすさという長所でもあるが、既視感という短所もはらんでいる。

 特に番組で強調されているのは、彼らの「卑屈」キャラだ。彼らは、上が詰まっているテレビ界の状況も相まって、“売れる”まで時間がかかっている。だから、妬み、嫉み、ひがみを募らせてきた。中でも、山里、オードリー若林正恭、ウーマンラッシュアワー村本大輔はその筆頭である。前述の山里がパニックを起こしたコーナーは、そんな3人がそれぞれ、にゃんちゅう(山里)、なべこ(若林)、オーサワ(村本)という番組ADの“3人娘”に扮し、行きつけのゲイバーを訪れるというコーナー。ホスト(ホステス)役のカスママに扮しているのは、「卑屈」とは対極にいるオードリー春日俊彰だ。

 1月31日の放送で、カスママの店に訪れたゲストは柳原可奈子だった。柳原といえば、人間観察を通じたナナメ目線のコントを得意とする女芸人。いわば、山里たちと近いタイプと目される芸人だ。だが、柳原はカスママを前に正直な心境を吐露する。

「『柳原さん、もっとナナメの目線ください。もっと意地悪な目線ください』みたいな。……疲れちゃった(笑)」

 「これは結構な爆弾だぞ!」「相撲取りがこれ以上太りたくないですって言ってるのと同じだよ」とおののく3人娘たち。すると、柳原は矛先を『ミレニアムズ』に急転換させる。

「あの番組のメンバーって、『卑屈』みたいな感じで言われてるじゃないですか。(略)そんな毎日毎日、卑屈なわけじゃないと思うんですよ。すごく、“あ、空が綺麗だな”って思う日もあると思うし、たくさんの人と楽しく飲みに行く日もきっとあると思うんですよ」

 「そうそう」とうなずく若林、あたふたしたリアクションをとる山里、固まる村本。

「だけど、そういうふうに卑屈ばっかり求められて、絶対あいつら“卑屈疲れ”してると思うんですよ(笑)」

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