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ヒールから主役へ、そして壮絶な死……誰もが“感情移入”した「刺客」ライスシャワー

raisushawa-0201.jpgJRA公式サイト

「競馬」というのは、もちろん馬が競走する競技であり、馬に人間が思い描く「競走」の意志があるかどうかは定かではなく、それは経済動物を扱う関係者にとって永遠のテーマでもある。

 ただ、長い競馬の歴史の中で、彼らがどう考えても「レースに臨んでいる」としか思えない瞬間がたくさんあった。90年代のオグリキャップやトウカイテイオー、最近でもブエナビスタやオルフェーヴルなど、人間の意志が乗り移ったようなレースをする馬は確かに存在するのが現実だ。だからこそ「感情移入」することで感動が生まれ、だからこそ長期にわたり人気を保持しているのである。

“感情移入”というくくりでいえば、ライスシャワーという馬も、多くのファンの琴線に触れた馬だったといえる。ライスシャワーの生涯は、最初から最後までドラマ尽くしだった。

 北海道登別市のユートピア牧場で、1989年に産声を上げたライスシャワー。漆黒の馬体、小柄ながらも人間の指示に従順で、走りも滑らかということから評判がよかったらしい。しかし、足元がもろく、骨折などもあって出世までは時間がかかった。

 通算成績4戦2勝で迎えたクラシック第1弾・皐月賞は8着、当時はG2だったNHK杯でも8着と連続して結果を出せず、当然ながら大一番・日本ダービーでは16番人気と最低クラスの評価となった。世間の注目は皐月賞を無敗で制した怪物・ミホノブルボンに注がれており、ライスシャワーは刺身の“ツマ”にもなっていなかったということだ。仕方がない話ではある。

 無論、日本ダービーでもミホノブルボンが圧巻の逃げ切りで無敗2冠達成。ただ、2着には16番人気のライスシャワーが入る大波乱となった。多くのファンが愕然としただろう。どうやら、牧場などではさほど驚きではなかったそうで、ミホノブルボンとの馬連馬券1000円分をボーナス代わりに出したなんて話もあったというのだから驚きだ。

 皐月賞は2000m、そして日本ダービーは2400m。血統的にも戦績も、距離が伸ばすことが得策なライスシャワーは、秋の大目標を京都競馬場のクラシック最終戦・菊花賞(3000m)に定める。

 無敗のまま菊花賞に臨んだ3冠候補・ミホノブルボン、そしてここに全てをかけて臨んだライスシャワー。その軍配は、ライスシャワーに上がる。

 ミホノブルボンを直線半ばで交わした見事な勝利だった。強靭なステイヤー(長距離馬)誕生の瞬間でもあった。

 しかし、ミホノブルボンの“クラシック3冠”を期待していたファンとしては、歴史的瞬間をライスシャワーに「邪魔された」という認識がほとんど。G1制覇にもかかわらず、その評価は、現代風にいうなら「KYな悪役」でしかなかった。

 そしてライスシャワーの「悪役」っぷりに追い討ちをかける出来事が起きてしまう。翌年春、京都競馬場で開催され、日本一の長距離馬を決定する天皇賞・春(3200m)3連覇を狙ったメジロマックイーンを撃破してしまうのである。メジロマックイーンの鞍上は、当時すでにスターだった武豊。「またライスシャワーか」「大記録がなくなった」と、ため息を漏らす結果の立役者となってしまったのだ。

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