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最終回までズルズル7.3%の『フランケンシュタインの恋』綾野剛、川栄李奈ら役者陣の奮闘むなしく……

最終回までズルズル7.3%の『フランケンシュタインの恋』綾野剛、川栄李奈ら役者陣の奮闘むなしく……の画像1日本テレビ系『フランケンシュタインの恋』番組サイトより

 日曜ドラマ『フランケンシュタインの恋』(日本テレビ系)も最終回。視聴率は7.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)となりました。初回こそ11.2%と、それなりの好スタートでしたが、2話目で一気に7.3%まで下げると、あとはそのままズルズルといった感じです。第6話のレビューで「魅力的なのに全然面白くない」と書きましたが(記事参照)、その印象は最後まで変わりませんでした。そんなわけで、振り返りです。

■脚本家が主人公に寄り添ってないのです。

 さて、この最終回は、第1話で森から街へ降りた怪物が、森に帰る話でした。

 120年を森で孤独に生きてきた怪物(綾野剛)は、人間社会に降りることによって変容を与えられ、自らの菌を培養・研究することで人間の役に立つという役割を与えられました。そうして不老不死の命を生きていく理由を与えられました。

 与えられました。

 というのが、このドラマ全話に通底する「怪物の描き方」でした。怪物は、何かを自らの決意や努力によって勝ち取ったわけではありません。街へ降りたのもラジオに出演したのも、誰かにそそのかされただけですし、最終的な役割もあくまで環境の変化や別の登場人物たちの積極的な働きかけによって「与えられた」にすぎない。ここに、このドラマの特徴があるように思います。

 常に制作サイドが「与える側」であるという立ち位置が、そのまま画面から伝わってくるんです。脚本が、主人公である怪物に、まるで寄り添ってない。継実ちゃんには、もっと寄り添ってない。「不治の病」で悲劇を与えて、その後に「奇跡の治癒」を与える段取りの大雑把さを見るにつけ、命そのものさえ軽視しているように見える。

 そうしてキャラクターたちを上位の立場から俯瞰して描いているうちに、私たち視聴者もいつの間にか「与えられる側」として扱われている気がしてきます。話が頭に入ってこないし、「貴様は神になったつもりか!?」と言いたくなる。

 その象徴が、前半に多くの時間を割いて描かれたラジオパートです。怪物をラジオに呼んで、そのたびに「人間とは何か」みたいなことが、脚本家の言葉によって定義づけられてきました。

 ラジオには、とことん寄り添ってるんですよね。ラジオでの天草(新井浩史)の言葉や行動には、もはや寄り添っているというより、寄りかかっていると言ってもいいくらいです。最終回にも天草の説教がたっぷり挿入されたあたり、この作り手たちが言いたいことは結局ラジオにすべて託されていたと感じます。そう考えれば、ヘビーリスナーだった怪物はまだしも、ラジオと一切関係のないヒロイン継実についての描写がおざなりなのも、むべなるかなといったところです。

 それにしても継実ちゃん、見せ場なさすぎでしょ……。初回と120年前のサキを演じた第9話以外は、困り顔で立ち尽くして、たまに「深志さんが好き」とか言うだけ。それしか仕事がなかった二階堂ふみは、「これでギャラもらっていいのかいな?」とか思ってるんじゃないでしょうかね。変な服もたくさん着させられたし、ギャラもらっていいと思いますけど。

■SFについてはもういいや、それより川栄李奈でしょう

 このレビューでは、さんざんSF的な設定ゴケがひどいという話をしてきましたが、最終的に「未知の菌によって遺伝性疾患が根治する」「そして、それが恋の力」みたいな、とんでもないトンデモをブッ込んできたので、もう特に意見はないです。SFはSFに情熱のある人だけがやってほしいなと思う限りです。

 それより、川栄李奈です。まあ、すごくよかった。かわいかったし、カッコよかった。

 最終回で山に入っていく怪物を見送ったときの「これは仲間の挨拶だ」と言いながらのハグなんてね、最高じゃないですか。このセリフには、魂こもってるじゃないですか。

 川栄の演技スキルが確かなことはもちろんですが、所属する工務店が唯一、この作品でリアリティを保てていた舞台であったことも功を奏したと思います。脚本家が得意なスケール感というのが、この工務店内くらいなんだろうな、と感じるんです。現代の8人くらいの集合体、という規模であれば、濃密な人間を描ける。個性も関係性も描ける。

 川栄が演じたのは室園美琴という家出少女でした。町で工務店の社長(光石研)に拾われて雇われた美琴は、この工務店にとって怪物より先に来た“異物”だったのです。美琴をフックにすることで工務店と怪物をつなぐという脚本のプランは冴えていたと思うし、川栄も要求によく応えたと思います。怪物も、継実と話しているときより美琴と接しているときのほうが、よほど生き生きして見えました。

 重ね重ね、不憫なのは二階堂ふみです。

「私は、津軽継実であり、サキさんです。あなたが好きです、120年前から」

 なんてセリフ、どんな顔で言えばいいというのか。快活で好奇心旺盛で積極的だった第1話の継実はなんだったのか。ああ不憫。これでテレビドラマに愛想を尽かさないといいなと願うばかりです。

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