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12.1%好調キープの高畑充希『過保護のカホコ』徹底的に破壊されたママ黒木瞳が見たくなる

 パパはまだ帰ってきませんが、そんなカホコの変化に、敏感に気付いてくれたのも、やはりハジメでした。会話の端々からカホコの成長を読み取り「大人になってるねー」とホメてくれます。

「この機会に、親に甘えるのをやめて将来のことをちゃんと考えたほうがいい」

 カホコはハジメの進言に従って、インターンシップの仕事を探すことにしました。

 カホコが突然そんなことを言い出したのはハジメの影響だと、ママは見抜いています。当然、よい顔はしません。働くことは渋々認めたものの、勤務先はママが決めるし、ママが決めた学童保育で働いているカホコの一挙手一投足にも、まるでどこかの家政婦のように目を光らせています。子どもが転んで泣き出してしまえば、もうたまらず飛び出してきて、カホコを助けてしまうのです。この人だけは、最初っから全然変わりません。そして、カホコもパパも、ママのこうした行動の問題点を具体的に指摘することはできません。パパはパパで数日会わないだけで号泣しちゃうくらいカホコを愛しているし、カホコはずっとママの言う通り生きてきて幸せだったので、どうしても説得力がないのです。

 そんなママに忠告できる人が、ひとりだけいました。ママのママであるばあば(三田佳子)です。「カホコにできるだけのことをしてあげたい」「後悔したくない」というママに、ばあばは「子育てで後悔しない母親なんていない」「最後は覚悟を決めるしかない」と告げます。実際、ママはこの人に子育てされてきたわけなので、うっとおしいと思いつつも聞き流すことができません。

「子どもが転んでも立ち上がると信じて。愛するより、信じるほうが難しいんだから」

 ママの心が揺れ始めます。そして、カホコにお願いされて帰ってきたパパに、こう尋ねるのです。

「パパ、あたし、カホコを甘やかし過ぎなのかな、ちょっと……」

■「幸せが壊れるのが怖い」

 そうして、ママの過保護鉄仮面にヒビが入り始めたころ、同じように幸せだったはずのママの妹2人の家にも波乱が訪れていました。節ちゃん(西尾まり)は、病気でチェリストの夢が断たれた一人娘・糸ちゃん(久保田紗友)が大荒れ。出会い系に手を出してホテルの前で男とモメて補導されたかと思えば、親に対して「親と思ってない」とか「どうしたらそんな退屈な人間になれるの」とか「恥ずかしいと思わないの」とか「死んでもアンタたちみたいな大人にならないから」とか、傍から見れば中二病爆発でほほえましい限りだけど当の親たちにとっては超絶ショックであろう罵倒を繰り広げました。

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