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12.1%好調キープの高畑充希『過保護のカホコ』徹底的に破壊されたママ黒木瞳が見たくなる

 また、もうひとりの妹である環ちゃん(中島ひろ子)は、持病のぜんそくが悪化して入院生活に。夫・衛くん(佐藤二朗)の飲酒癖に悩んで、あまり眠れないそうです。「(衛くんを)怒らないであげて、反省してるし」と言うカホコに、環ちゃんはこうつぶやくのです。

「怒ってるわけじゃないのよ。幸せが壊れるのが怖いの、悪いことが起きそうで……」

 妹たちがそれぞれに悩んでいる中、いよいよママのところにも「幸せを壊す悪魔」がやってきました。そうです、ハジメくんです。

 なぜかずぶ濡れになっているカホコと一緒に、ハジメが玄関先までやってきました。

「これ以上、関わらないで! 心配なの、これからどうなるか、怖くて……」

 ばあばに忠告されて、ママはいつになく弱気です。一方のハジメは超強気です。

「娘さんともう会えなくなるのは嫌です(キッパリ)」

「できれば交際を許してほしいと思ってますけど(キッパリ)」

 そして、「また改めてお願いしに来ます」と礼儀正しく言い残して去っていきます。

 この上なく心がザワザワするママですが、努めて平静を装いながら「ほら、早くお風呂入んなさい」とカホコの腕を引きます。壊されたくない日常を継続しようと必死です。しかし、ずぶ濡れになったカホコには大きな異変が現れていました。

「カホコ、もうママに甘えないようにする」

 なんと、朝は自分で起きるし、洋服も自分で決めるし、食器も自分で洗ってお弁当も自分で作る。駅までも自分で歩く。花嫁修業のことも就職のことも、一回自分で考えてからママに伝えるようにする。と言うのです。なんということでしょう。

 ママの顔面は再び鉄仮面と化し、「そう、わかった」と言い残すと荷物をまとめ、家を出て行ってしまったのでした。何を考えてるんだ、どんな気持ちなんだ、ママ!

■カホコとハジメに何があったかは、わりと重要ではない

 以前にも書きましたが、ハジメという人物は、このドラマでほとんど唯一の“外部”として登場しました。つまりは、カホコにとっての社会そのものと言っていい存在です。

 そのハジメとカホコが影響を与え合うことで、関係が結びついていく。それは、カホコと社会の関係が結びついていくことと同義として描かれています。カホコがいちいち新鮮に「こんなの初めて!」とリアクションを取りながら世界を広げる様がみずみずしく描かれることで、そして高畑充希と竹内涼真という2人の役者さんがみずみずしく演じ上げることで、『過保護のカホコ』は鮮やかな成長ストーリーとして成立しています。

 しかし、ドラマが訴えようとするのは、あくまでママの変化であるように見えます。もっといってしまえば、「ママの狭い世界を破壊する」というところにゴールを設定しているように見える。そして、ママが徹底的に破壊されて、そこからささやかに再生する姿が見たくなってくるのです。やっちゃえ、遊川! って感じで。今回はここまで。
(文=どらまっ子AKIちゃん)

最終更新:2017/08/10 20:00
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