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“炎上提供番組”と化した『ワイドナショー』松本人志を担ぎ上げたフジテレビの罪

松本人志

 放送するたびに炎上案件を提供しているのが、フジテレビ系『ワイドナショー』(毎週日曜午前10時)。2月18日放送回でのネットカフェ難民特集に対する松本人志のコメントも、ネット上で議論の対象となった。

 この回では、ネットカフェに寝泊まりしながら、その日暮らしをしているネットカフェ難民を特集。松本は、定職に就かずネットカフェでの生活を続ける人々に対し、「若干イライラしている」「ちゃんと働いてほしい」とコメントし、さらに「路上なら頑張るんじゃないかな」とネットカフェという環境が“甘え”につながっているのではないかという持論を展開した。

 そんな松本の発言に対し、ネット上では「日本の現実的な社会を理解できいてない」「『無知は罪』のいい見本」などのコメントが殺到。現代日本の貧困問題について、あまりに現実を知らなすぎると批判されている。

 昨今の松本に対して、嘆きの声は少なくない。マスコミ関係者はこう話す。

「『ワイドナショー』は、あくまでも芸能人が個人的意見を発信するというコンセプトなので、無知のまま話してもOKということなのでしょう。しかしながら、それで損をするのは発言した本人。実際問題として松本は自分の無知をさらけ出し、どんどん評価を下げています。無知なりに面白い意見でも出ればいいのでしょうが、残念ながらそうはなっていない。もしも、私が松本のスタッフだったら、今すぐ番組をやめるか、それともしっかり予習をするかのどちらかを提案しますが、どうやら今の松本の周囲には、そういうことを言えるスタッフもいないのでしょう」

 そもそもお笑い芸人ならば、バラエティー番組でこそ活躍すべきであり、報道番組や情報番組、ワイドショーなどに出る必要はないのでは? そんな声も聞こえてきそうだ。テレビ番組制作会社関係者は、こう話す。

「確かに、バラエティー番組に勢いがあった20年前くらいであれば、芸人はバラエティー番組だけに出ればよかった。でも、バラエティー番組の勢いがなくなり、情報番組などが増えていく中で、芸人がテレビの世界で生き抜いていくためには、お笑いだけではなく、コメンテーターなどもしなくてはいけなくなってきた。だから、今はワイドショーでも芸人のコメンテーターが多いし、まったくお笑い要素がないような情報番組のパネラーにも芸人が呼ばれるようになってきたわけです。中堅芸人クラスは、そういった状況を理解しているから、しっかり予習した上でワイドショーにも出ていますが、松本クラスになると、そうもいかないということなのでしょう」

 松本の無知に問題があるのはもちろんだが、そんな松本に社会問題を斬らせようとするフジテレビ側にも問題があるとの指摘も。

「社会問題について完全な素人である松本をトップに置いて番組を構成すれば、偏りが出てしまうのは当然のこと。本当なら、松本に対して正しい知識を教えることができる識者などを立てるべきなんですが、それをしっかりやらないのは制作サイドの怠慢といえるでしょう。おそらく考え方としては“バラエティー寄りの報道番組”ではなく、“社会問題を扱うバラエティー番組”なのかもしれない。世の中の事象をしっかり伝える自覚が足りないから、無駄な炎上を導いてしまうのではないでしょうか」(同)

 松本と安倍首相が会食したことも報じられ、何かと保守に偏りすぎているとの指摘も多い『ワイドナショー』。これ以上、おかしな方向へ進まなければいいが……。

最終更新:2018/02/25 08:00
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