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井上公造は第一線を退き…芸能リポーターの需要が年々減っていった深刻な理由

文=黒崎さとし(くろさき・さとし)

井上公造は第一線を退き…芸能リポーターの需要が年々減っていった深刻な理由の画像
「井上公造チャンネル」より

 30年以上第一線で活躍している芸能リポーターの井上公造氏が今月16日、自身のYouTubeチャンネルで来年3月いっぱいで第一線を退くことを発表した。

 気になるその理由だが、井上氏は約7年前から自律神経のバランスを崩し、番組中にめまいなどが起きたことを告白。そのうえで、「東京、大阪、名古屋、福岡のレギュラー番組を卒業させていただきます」と、日本テレビ系『ミヤネ屋』など9番組全てを降板することを報告した。一方で「『テレビに出て』とオーダーがあったら出るかもしれない」とリポーター業そのものを引退することについては否定した。

「もともとスポーツ紙の記者だった井上氏は、事件・芸能取材を担当。1986年に故梨元勝氏の『オフィス梨元』に入って芸能リポーターに転身し、98年には独立して自分で会社を設立した。10人ほどの芸能リポーターを抱え、芸能情報サイトの走りであるウェブメディアを運営してかなりの収益があったが、現在の所属リポーターは若くても40代半ばで、新しい人材は育たなかったのか、テレビ番組のオファーも以前に比べて激減。今はウェブメディアへの記事を中心にこなすリポーターもいる」(ベテラン芸能記者)

 かつてワイドショーが盛んに取材合戦を行っていたころ、各局は梨元氏をはじめとした芸能リポーターを抱え、独自のスクープ報道を出したり、会見では厳しい質問を浴びせて芸能人を震え上がらせていたが、そのうち流れが変わったという。

「90年代後半から、ジャニーズ事務所を筆頭に芸能プロの方がテレビ局より力を持ち始めたため、そういった事務所の不都合なスキャンダルの独自ネタは情報番組でやらなくなった。こうしてワイドショーや情報番組では各スポーツ紙を紹介するスタイルが一般的に。取材経費の締め付けもあり、特に民放キー局はリポーターの需要がなくなった。それでも、まだ地方局では需要があったのが救いだった」(民放キー局の情報番組スタッフ)

 これまで数々のスクープをものにしてきた井上氏は独自ネタにこだわっていた。2016年には歌手・ASKAの未公表の楽曲を本人に無断で『ミヤネ屋』で放送したことも。ASKAから「公造さん、曲流しちゃだめだって。曲流したらだめだって」などと抗議を受けるも、しばらく持論を展開しながら受け流していたが、最終的には番組とともにASKAに謝罪することになった。

「そういうスクープこそ、芸能人と距離を詰めることができるリポーターの可能な業だったが、こうした“だまし討ち”のような手法は今の時代はアウト。そして井上氏は年々、リポーターの需要が減り続けていることを肌で感じていたはず。自分の出演枠を少しでも自分のところの所属リポーターたちに譲ろうという温情から勇退を決意したのでは」(同)

 残るリポーターたちの活躍が期待される。

黒崎さとし(くろさき・さとし)

黒崎さとし(くろさき・さとし)

1983年、茨城県生まれ。ライター・編集者。

最終更新:2021/12/25 08:00

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