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村田諒太、ゴロフキンに破れたが評価はむしろ上昇――それでも“引退”を匂わす理由

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4月9日に行われた、WBA・IBF世界ミドル級王座統一戦 村田諒太vs.ゲンナジー・ゴロフキン。(左)ゴロフキン、(右)村田諒太(Getty Images)

 日本ボクシング史に残る英雄の挑戦は、最強ファイターの前に散った。9日に行われた世界ミドル級統一戦で、IBF王者のゲンナジー・ゴロフキンと戦ったWBAスーパー王者の村田諒太は、9回TKOで敗戦。統一王者になる夢は叶わなかった。

「これまで日本ボクシング史上最大のビッグマッチは、1994年の辰吉丈一郎vs薬師寺保栄戦で、両者のファイトマネーは1億7000万円(推定、以下同)でしたが、今回の村田vsゴロフキン戦で両者が手にした金額は、村田が6億円、ゴロフキンは20億円と言われています。ミドル級は非常に人気が高く、五輪金メダリストの経歴を持つ村田と、10年以上世界のトップに立ち続けてきたゴロフキンの対戦は世界から熱望されており、大金が動く試合となりました」(週刊誌運動記者)

 同試合は地上波の中継はなく、日本ではアマゾンプライムビデオでのは配信だったが、試合後には村田の話題がネットを独占。しかし試合後、村田が所属する帝拳ジムの本田会長は、「勝っても負けても最後だと思って闘ったと思う」と、引退を示唆するコメントを発表した。我々はもう、村田が戦う姿を見られないのか?

「ゴロフキンは、村田がプロ入りした時にすでに世界の頂点にいて、村田にとっては憧れの存在。一緒にトレーニングをしたこともあり、ボクサーとして、そして人間として尊敬する相手と戦って敗れたことが1つの“辞めどき”なのは確かです。ただ、村田はすでに36才ですが、プロ入りが遅かったのでまだ19戦しか戦っておらず、そのうち半数近くは短いラウンドで片付けているので、肉体的にはそれほど消耗していません」(フリー記者)

 ビッグマッチを終えた充足感はあるだろうが、体力的にはまだまだイケるということ。そもそも、今回戦ったゴロフキンは、村田より上の40才だ。さらに“別の事情”もある。

「今回の試合は10億円単位の金が動くビッグマッチでしたが、ゴロフキンを日本に呼ぶために帝拳ジムは莫大な出費を強いられ、赤字だったとさえ囁かれています。今回の試合で村田はたしかに負けましたが、ボクシングは負けて評価が上がることもあるスポーツ。勝ってもシケた試合なら評価は下がりますし、負けても観客を熱狂させるアツい試合をすれば、評価は上がります。今回の村田は、まさにそれ。最強王者に真っ向から立ち向かって男を上げ、商品価値はむしろ上がりました。

 ボクシングの世界で“引退”とは、ビジネスの駆け引きで使われる言葉。井岡一翔も1度引退を発表し、後に現役復帰しており、“引退”の2文字を真に受けるのはナンセンスです。古い話になりますが、村田はロンドン五輪で金メダルを取った後、しばらくはプロ転向を否定していましたが、あれも“大人の事情”があったから。ジムとしては、まだまだひと稼ぎもふた稼ぎもしてほしいのが本音でしょうし、村田としてもまだまだ稼げるタイミングで辞める手はないでしょう」(スポーツライター)

 夢はまだ続くことを期待して良いのかもしれない。

石井洋男(スポーツライター)

1974年生まれ、東京都出身。10年近いサラリーマン生活を経て、ライターに転身。野球、サッカー、ラグビー、相撲、陸上、水泳、ボクシング、自転車ロードレース、競馬・競輪・ボートレースなど、幅広くスポーツを愛する。趣味は登山、将棋、麻雀。

いしいひろお

最終更新:2022/04/12 21:00
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