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『タモリステーション』視聴率右肩下がりも無問題? テレ朝が狙う“第2のブラタモリ”

『タモリステーション』視聴率右肩下がりもむしろOK? テレ朝が狙う第2のブラタモリの画像1
テレビ朝日宣伝部Twitter(@tv_asahi_PR)より

 8月に喜寿を迎えるタモリがますます元気だ。現在、『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)、『タモリ倶楽部』(同)、『ブラタモリ』(NHK)と3本のレギュラー番組を抱える多忙の身。その上、今年1月と3月に放送され、好評を博した『タモリステーション』(テレビ朝日系)の第3回放送も7月1日実現。定番化する勢いだ。

「『タモリステーション』は今年1月、“二刀流・大谷翔平”というテーマで第1回が放送され、3月には“ウクライナ戦争の真実”というテーマで第2回を放送。第1回が15.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区。以下同)、第2回が13.5%と、いずれも高視聴率を記録しました。第2回については、タモリさんがほぼ全編にわたって無言を貫いたことも大きな話題となりました」(テレビ情報誌記者)

 そして、第2回放送から約4カ月をおいて第3回が放送された『タモリステーション』。その背景には、テレビ朝日の局内事情が関係しているとキー局関係者は推測する。

「タモリさんは現在、テレビ朝日でレギュラーをふたつ持っていますが、局内で長らく懸案となっているのが『ミュージックステーション』の処遇です。すでに番組は36年続き、今や地上波ゴールデンでは数少ない音楽番組ですが、タモリさんも高齢となり、毎週の生放送は体力的にも心配ですし、やはりコロナの懸念も拭い切れません。
 一方、視聴率もここ数年は壊滅的で、毎回5%程度。ただ、特番は2ケタ前後の数字が取れているので、レギュラー放送は終了させ、改編期に特番をやる形で残したいというのがテレ朝の本音です。

 でも、テレ朝にとって大の功労者であるタモリさんを無下に扱うワケにはいかない。そこで登場したのが『タモリステーション』です。同番組はテレ朝の看板番組である『報道ステーション』を下地として、いかにも丁寧に番組が作られており、これなら『Mステ』の代わりにとしては十分。タモリさんの顔を潰すこともありません」(キー局関係者)

 大功労者の顔を立てつつ、緩やかに番組改変を行っていきたいとは、なかなかしたたかなテレ朝。ただ、タモリとの関係を“代わりの番組”だけで終わらせる気などさらさらなく、そこには大きな野心も見え隠れしているようだ。

「先日の『タモリステーション』第3回でカーリングを取り上げるに際し、タモリさんは銀メダルを取った『ロコ・ソラーレ』の地元である北海道常呂町を訪問し、実際にカーリングにも挑戦。スタジオが中心だった過去2回とは番組の雰囲気が変わりましたが、タモリさんが女性アナを連れてロケをするスタイルはまるでNHKの『ブラタモリ』で、完全に“寄せに行っている”印象でした。

『ブラタモリ』は派手なシーンがひとつもないのに、安定して10%台半ばの高視聴率をキープしており、その多くがタモリさんの力なのは明らか。あれを民放でやれば、数字が期待できるのはもちろん、スポンサーもすぐに集まるでしょうから、テレ朝の狙いは民放版の“第2のブラタモリ”でしょう。

 第1回は“大谷翔平”、第2回は“ウクライナ”というタイムリーな話題を取り上げて高視聴率を獲得しましたが、毎回のように数字が見込めるテーマを用意するのは難しい。カーリングを取り上げた第3回は、視聴率が7.0%と前回から半減しましたが、むしろ“旬ではないテーマ”でもこれだけの数字を取れたことに、テレ朝は手応えを感じていると思います」(民放バラエティ番組制作関係者)

 タモリとしては、「新しいレギュラー番組が始まっても、いいとも!」といったところか。

木村之男(芸能記者、TVウォッチャー)

1972年生まれ、東京都出身。大学時代にライターとして活動し始め、出版社~編集プロダクションを経てフリーに。芸能・カルチャー・テレビ・広告業界などに精通する。趣味はテレビに映った場所を探し出して、そこに行くこと。

きむら

最終更新:2022/07/09 21:00
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