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ジュリー社長のジャニーズ社長退任は不可欠? 業界関係者は滝沢氏とI女史の動きに注目

ジュリー社長のジャニーズ社長退任は不可欠? 業界関係者は滝沢氏とI女史の動きに注目の画像
ジャニーズ事務所社長の藤島ジュリー景子氏

 ジャニーズ事務所創業者の故・ジャニー喜多川前社長による未成年所属タレントへの性加害問題は、ジャニーズ事務所側が5月26日に外部取締役を迎えるなど3点を柱とした対応策を発表したものの、一向に収束の気配を見せない。

 「週刊文春」(文藝春秋社)に登場する告発者は増え続けており、先日は『NHK紅白歌合戦』に出場経験もある元「忍者」の志賀泰伸氏も「30回から40回くらいは性的虐待があった」として被害を訴えたほか、同事務所で付き人をやっていた元スタッフもジャニー氏から被害を受けたと明かした。一方、男性マネージャーが6名ほどのジャニーズJr.に性加害行為を行い、金を渡していたとの話まで飛び出し、加害者がジャニー氏だけに限らない可能性が濃厚にもなってきた。

 「文春」に顔出し・実名で告発していた元ジャニーズJr.らは、子どもの性被害を防ぐため児童虐待防止法の改正を求め、およそ3万9000人分の署名を各党に提出。今国会での改正は見送られる見込みだが、永田町を巻き込む問題にまで発展する可能性も出ている。

 ジャニーズ事務所の藤島ジュリー景子社長は、5月14日に発表した公式見解で「私が辞職する選択肢も考えました」としながらも、「今すべきはこの問題から逃げることなく、被害を訴えてこられた方々に向き合うこと、さらにこれから先、二度と同様の問題が起こらないよう、既に着手し始めている経営改革、社内意識の抜本的改善をやり抜くこと」として、社長の立場から経営責任を果たしていくとしている。

 だが、退任しなければ収束はないとの見方も強い。

「誰の入れ知恵かわからないが、ジャニー氏の性加害について『知らなかった』と回答したのはまずかった。不倫騒動を起こして事務所を追い出される格好となった近藤真彦らから“知らないはずがない”と総ツッコミを受ける事態となり、この問題に対して誠意ある取り組みをしていないという見られ方が固まってしまった。

 7月1日付で白井一幸氏ら3人を社外取締役に迎えるほか、前検事総長らによる『外部専門家による再発防止特別チーム』なども立ち上げ、現体制の問題点を洗い出していく予定で、組織の再構築の目途が立ったところで退任するつもりではないか。ジェリー社長の性格からいって、早々に矢面から離れたいだろう。社長の座を降りたところで、“オーナー”であることには変わりないから影響力を持つことはできる。東山紀之は『そもそもジャニーズという名前を存続させるべきなのか』との議論もあると明かしていたが、子会社のジェイ・ストームに移行・集約させる形で再編成されるとの噂もあるようだ。『文春』によれば、当初はジェリー社長も退任の意向があり、外部から社長を招く案も浮上していたというが、周囲の反対でジュリー社長の留任となるなど、抜本的な改革は現状の体制下では難しく、社外取締役らがどれだけ力を発揮できるか」(週刊誌記者)

 こうした中で注目されているのは、ジャニーズ事務所の副社長と、ジャニーズJr.を統括する子会社ジャニーズアイランドの社長を昨年秋まで務めていた滝沢秀明氏の動きだ。

「滝沢氏は昨年9月に突如退任を申し出、2022年10月末をもって退社。今年3月21日に株式会社TOBEの立ち上げを発表し新人募集のオーディションを開始した。滝沢氏のもとには振付師やジャニーズアイランドのスタッフなど関係者が続々と合流している様子で、ジャニーズ退所者の合流の噂も現実味を帯びてきた。先日はKis-My-Ft2の北山宏光が8月いっぱいで退所することを発表していたが、滝沢氏を敬愛する北山が退所を申し出たのは昨年秋だというから、明らかに滝沢氏の退社の影響を受けている。一部報道では、TOBEからは早くも大手レコード会社からデビューする予定のタレントが2組もいるとか。古巣との対立があるかどうかは、“辞めジャニ”の所属はあるのか、TOBEからのデビュー組は民放のテレビにどれぐらい出演できるのかではっきりしてくるだろう」(同)

 滝沢氏のTOBEが“牙”を剥くとすればこれ以上ない強敵となりそうだが、一方で、ジャニーズ事務所がこの騒動を沈静化させるためには、“あの人物”の起用しかないとの声も聞かれる。

「ジュリー社長が退任したところでオーナーとして影響力を持ち続ければ、『院政を敷いている』と言われるのは目に見えている。本当に『ジャニーズが変わった』と世間に示すには、新社長としてSMAPの育ての親であるI氏を呼び戻し、さらにSMAPを再結成させるぐらいのインパクトが必要でしょう。ジャニーズ事務所にとって世間からの反発以上に怖いのが、ファン離れ。SMAP再結成まで実現できれば、事務所に不信感を深めているファンも見方を改めるのでは。男闘呼組の再始動を期間限定ながら認めたのは、SMAP再結成のための観測気球だったのではとの噂もあるほど」(芸能事務所関係者)

 I氏はジャニー氏からその実力を買われ、ジャニーズ事務所の後継者の一人と言われるようになったが、そのことで故メリー喜多川名誉会長の怒りを買い、「週刊文春」(文藝春秋社)の取材の場にI氏は呼び出されたうえで「対立するならSMAPを連れていっても今日から出て行ってもらう」と叱りつけられることに。このことがきっかけとなってI氏はジャニーズ事務所を去り、草彅剛、香取慎吾、稲垣吾郎の3人も追随、SMAPは解散に至った。

「性加害問題を報じて来なかったテレビ局にも厳しい目が飛び交っており、以前のようにジャニーズへの“忖度”はしづらくなっている。I史もここぞとばかり、元SMAPの3人を地上波に復帰させようと動いてくるでしょうね」(同)

 瓦解が始まったジャニーズ帝国。今後は滝沢氏、I氏との三つ巴の戦いが激化していくのだろうか、それとも――。

黒崎さとし(編集者・ライター)

1983年、茨城県生まれ。ライター・編集者。普段は某エンタメ企業に勤務してます。

Twitter:@kurosakisatoshi

くろさきさとし

最終更新:2023/06/10 08:00
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