岡田斗司夫『いつまでもデブと思うなよ』DVD化のスゴイ中身！

『いつまでもデブでいたくない』／GP
ミュージアムソフト　©2008岡田斗司夫

　昨年8月に新潮社から刊行され、50万部を売り上げたダイエット本『いつまでもデブと思うなよ』（著／岡田斗司夫）がDVD化されることが明らかになった。本書は、作家の岡田斗司夫が自ら一年間で50kgのダイエットを成功させた体験をもとに、「レコーディング・ダイエット」という方法論を紹介したもの。誰もが気軽に楽しみながらダイエットができるという評判だったが、このDVDの内容はなかなかに刺激的だ。

　8月25日に発売されるDVD『いつまでもデブでいたくない』は、レコーディング・ダイエットに成功したとされる“松沢さん（40）”なる人物を軸に展開。まずはダイエットを成功させて美人の奥さんをゲットした松沢さんの日常生活をひとしきり紹介すると、カメラは松沢さんの勤務先へ。そこで松沢さんの部下だという女性が「昔の太ってた松沢さんは何かアレだった」などと、現在の松沢さんを称えるお決まりの展開だが、この部下の女性が太っているので、観ているこちらも「何かアレだなぁ」と思ってしまう。

　その後、街頭インタビューの場面に移ると、街行く一般女性たちに「太っている人の印象は？」というストレートな質問をぶつける制作スタッフ。これに対し女性たちは「気持ち悪い！」「あんまりしゃべりたくない！」「暑苦しい！」「意志が弱い！」「清潔感がない！」「（太ってる人に告白されたら？）……んー、無理！」などなど、ほとんど悪口としか言いようのない回答を寄せる。挙句に数年前まで100kg以上だったという松沢さんまで「太ってる人は、酸っぱいんです」などと言い出す救いのなさ。つまり、本DVDは“デブ”に対してとことん攻撃的な内容なのだ。

　また、後半には130kgある“竹田さん（24）”なる人物が登場。ダイエットに成功した松沢さんとの対談がセットされるが、この対談がまたスゴイ。

　「痩せたいと思いませんか？」をテーマに和やかな雰囲気で始まった対談だったが、ダイエットに成功した松沢さんが「妻が美人だ」「仕事先でも言い寄られる」などとモテ自慢を始めると、にわかに表情が曇り始める竹田さん。さらにはヒートアップした松沢さんが「モテたいなら痩せろよ！」「太ってるだけで迷惑かけてんだよ！」などと竹田さんを怒鳴りつけ、竹田さんは怒って退場してしまうのだ。もはや「気軽で楽しいダイエット方法を紹介する」という趣旨は完全に消し飛んでおり、単に「罵倒されるデブを眺めるDVD」という感じになってくる。

　結局、竹田さんには何のフォローもないままDVDは終了。副音声のオーディオコメンタリーを担当している原作者の岡田斗司夫も、最初は映像に対してツッコミを入れたり、やんわりと方向修正したりしていたが、終盤では「本を買って読んでください！」「とにかく本を！　図書館で借りてもいいから！」と困り果てた様子だった。

　ちなみに、サイゾー編集部きっての大きい人（130kg）にこのDVDを見せて「どう？　痩せたくなった？」と聞いてみたところ、「オレ、そんなに迷惑かけてんすか？　何か、外に出るの怖くなりました……」だってさ！

『いつまでもデブでいたくない』
DVD/DMG-7742
64min.
2,940円
2008年8月25日発売
製作・発売・販売元：GPミュージアムソフト

いつまでもデブと思うなよ

原作の本はこちらです。

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