サイゾースタッフ
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エディター/平野遊
エディター/山田裕子
エディター/北村千晶
デザイナー/cyzo design
Webデザイナー/石丸雅己※
広告ディレクター/甲州一隆
ライター(五十音順)
竹辻倫子※/田幸和歌子※
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プロデューサー/川原崎晋裕
パブリッシャー/揖斐憲
※=外部スタッフ
グーグル「ブック検索」拒否が"書籍を殺す"とわからない人々(前編)
グーグルが推し進めている、書籍の全文検索サービス「ブック検索」に、日本の一部の著作権者たちが、過剰ともいえる拒否反応を示している。同サービスの普及によって、書籍を取り巻く状況は、本当に彼らが危惧するような悪影響を受けるのだろうか?
書籍の全文が検索できるようになるグーグルの新サービス「ブック検索」に対して、日本の著作権団体が激しく反発している。
いわく「日本の著作権者の意見が無視されている」「なぜアメリカの法律に従わなければならないのか」「書籍の販売が難しくなる」「作家や出版社の利益にならない」「なぜ私企業が勝手にやるのか。公的機関に任せるべきだ」等々――。
はっきり言ってしまえば、こうした反発の大半はバカバカしく、無意味だ。なぜそう言えるのかを、これから説明していこう。
経緯を簡単に振り返っておく。グーグルのブック検索は、同社がハーバード大学やスタンフォード大学、慶應義塾大学などとともにスタートさせたプロジェクトで、これらの大学図書館が所蔵している書籍をスキャナーで読み取り、OCRによってテキスト化している。すでに700万冊のスキャンが終了しているというから、膨大な数だ。そしてこれらの書籍の中から、絶版になった本や著者の許しを得たものについては、検索結果に全文を表示できるようにしている。その他の書籍に関しては通常は全文表示を行わず、書籍の情報や数行の抜粋だけを表示させる仕組みだ。
そしてこのブック検索に対して、米国作家協会と全米出版社協会が「ビジネス目的で勝手にスキャン、コピーしている」と著作権侵害で訴えたのである。この裁判は昨年10月に和解し、グーグルは、絶版の書籍に関しては次のようなことができるようになった。
①オンラインでの書籍内容の販売
②図書館や大学からの、書籍内容への無料アクセス
③ウェブで表示される書籍のページへの広告配信
絶版になっていない通常の書籍に関しては、これらの項目がそのまますべて当てはめられるわけではなく、著者の側の都合によって選択することになる。そしてグーグルがこのビジネスによって得る収益のうち、63%は著者に支払われる。つまり残りの37%をグーグルが取るということだ。
和解案を呑むか呑まないかは、今年9月末までに決めなければならない。呑めば63%を受け取り、自分の書籍がブック検索でどう扱われるかを決める権利をもらえる。呑まずに和解案から離脱すると、自分の書籍を利用されることはなくなる。しかし完全にグーグルと縁が切れるかというとそうでもなく、大学や図書館での全文検索や抜粋表示など、フェアユースとしてグーグルが裁判所に認めてもらっている部分に関しては利用されてしまう。
問題は、この和解案が世界中の書籍に適用されてしまうということだ。煩雑だから説明しないけれども、ベルヌ条約【註 1886年に締結された、著作権に関する国際条約。日本は1899年に加盟】を批准している国の書籍すべてが対象になる。当然日本も含まれていて、これまで書籍のデジタル化などにはまったく興味がなかった日本の古くさい出版業界は、突然黒船襲来のようにアメリカの裁判所から和解案を突きつけられて、大騒ぎになったのだった。その中で、冒頭に紹介したような反発が噴き出てきたのである。
もちろん、この和解案には重大な欠落がある。「絶版書籍」が「アメリカで流通していない書籍」として捉えられているため、日本では普通に売られている本まで絶版書籍にされてしまっているケースが起きているのだ。ただしアメリカの裁判所の和解管理人は、今後はAmazon.co.jpで販売されているかどうかなども絶版の基準として含めていくと明言しているという。
この問題さえクリアしてしまえば、日本の出版社や著者が和解案に参加しない理由は何ひとつ存在しない。
(後編へつづく/文=佐々木俊尚/「サイゾー」7月号より)
●ささき・としなお
1961年生まれ。毎日新聞、アスキーを経て、フリージャーナリストに。ネット技術やベンチャービジネスに精通。近著に『ブログ論壇の誕生』(文藝春秋)、『ひと月15万字書く私の方法』(PHP研究所)ほか。
出版業界の本当の敵はグーグルだった!?
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